「スポーツ×生理」の悩みを相談できない学生は約3割――。学生アスリート向けに正しい生理の知識を発信しているプロジェクト「1252プロジェクト」がインターネット上で実施したアンケートで、生理にまつわる悩みを身近に相談できる人がいない学生が一定程度いることが浮かび上がった。プロジェクトを推進する元競泳オリンピアンは「相談できる環境作りが大切」と呼びかけている。
女性は1年間約52週のうち平均して12週の生理期間があり、それに伴って体調が変化し、競技のパフォーマンスに影響を及ぼす。プロジェクト名はこの数字が由来だ。
調査は2021年6~12月に実施。運動部やスポーツクラブに所属している中学生から大学生らの女性662人から回答を得た。調査によると、スポーツをする上での月経の悩みについて「月経によって、スポーツで思うようなパフォーマンスができないことがある」と41・4%が回答。一方で、スポーツをする上で月経にまつわる対策は「コーチ/監督などの指導者に相談」は2・7%と低く、「特別何もしていない」が63・4%と半数以上を占めた。
また、スポーツをする上で月経にまつわる悩みの相談相手を尋ねた質問に対し「相談しない/できる相手がいない」と27・9%が回答。回答した185人のうち、32・4%が「個人的なことだから」、25・4%が「みんな自分で対処しているから」と回答した。
プロジェクトを推進する元競泳女子日本代表、伊藤華英さん(39)は「悩みを抱えている人が多いにもかかわらず、相談ができない人、対策をしていない人が多いことが課題」と指摘。「トップアスリートは以前よりも生理に対するサポートが進んでいるが、若い子が婦人科に行くハードルはまだ高い。婦人科のかかりつけ医をもち、少しでも不安を感じることがあれば早めに相談できる環境作りが大切」と話した。【木原真希】
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