東海道新幹線は、愛知県内で保守用車両同士が衝突し脱線した事故の影響で、ダイヤが大幅に乱れた。学生らの夏休みが始まっている中、JR東京駅では、急な予定変更に戸惑う観光客らの姿が見られた。
スーツケースを引いていた東京都江東区の男性会社員(43)は、早めの夏休みを取り、午前中の新幹線で奈良県生駒市に家族を連れて帰省する予定だった。復旧のめどが立たないという構内のアナウンスを聞いて、「今日は帰るしかない」とうつむいた。
21日から4日間の予定でロシアから観光に訪れている会社員、キリル・マスコフさん(48)は、この日午前7時の東海道新幹線で京都に向かう予定で、「京都ではガイドを予約しているが、予定が狂ってしまった」と困惑していた。
東京都杉並区の私立高校3年の男子生徒(18)は、アイスホッケーのクラブチームの遠征試合に参加するため、大津市に行こうとしていた。一部のチームメートは移動手段を保護者の車に変更して出発したが、男子生徒はタイミングが合わずに同乗できなかった。
「(新幹線が運行している)浜松まで行き、そこから電車で大津に向かおうと考えたが、時間がかかることが分かったので復旧を待つ。遠征には半日参加できないので、遅れを取り戻す気持ちで練習に臨みたい」と話した。
出張先の東京から大阪にある本社へ新幹線で向かう予定だった大阪府茨木市の女性会社員(32)は、夕方に会議があるという。運行再開を待たず、昼過ぎの羽田空港を出発する飛行機を予約した。「新幹線で仕事をしながら帰ろうと思っていた。必要な仕事がこなせるか心配です。事故なので仕方がない」と肩を落とした。【隈元悠太】
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