栃木県の山中で男女の焼けた遺体が見つかった事件で、被害者の男性が経営する飲食店のスタッフと近隣の飲食店のスタッフによる取っ組み合いのけんかが複数回目撃されていたことが分かりました。

■「客を取りやがって」目撃されたトラブル

 残忍な犯行の動機を解き明かす糸口となるのでしょうか。17日に「事件に関係しているかもしれない」と都内の警察署に出頭した20代男性の新たな供述が、捜査関係者への取材で分かりました。
 
出頭した20代男性
「宝島さんと飲食店を巡ってトラブルがあった」
 
 殺害されたとみられる宝島龍太郎さん(55)は、東京・上野周辺で焼き肉店や不動産業など多角的なビジネスを展開する実業家です。

 宝島さんは少なくとも14軒を経営し、“宝島ロード”と呼ばれていたエリアがあります。事件との関係は分かりませんが、3年ほど前に飲食店の客引きを巡るトラブルが度々目撃されていたといいます。
 
宝島さんの知人
「基本的には客の取り合いだと思います。(宝島さんの店と隣の店が)強引な客引きをしてた。『安いよ、安いよ』と、自分のお店の前じゃない所でも」
 
 近隣の飲食関係者によると、客引きを巡る争いは、互いに人を雇いあうほどヒートアップしていったということです。
 
宝島さんの知人
「罵声で言ってることは『客を取りやがって』みたいな話。(それぞれの店の店員が) 3〜4人ずつ、もしくは5人ずつくらいいたかも。殴りかかろうみたいな、一歩間違えれば、そういう状況」

■車が走り去った後…栃木の山中で遺体発見
 
 「店員同士のトラブルの場に姿を見せたことはなかった」という宝島さん。なぜ、遺体となって上野から遠く離れた栃木県の山中で見つかったのでしょうか。
  
 2人が焼かれた現場には、いくつもの焦げ跡がありました。ここは地元の人しか足を運ばないような場所ですが、現場から2キロ離れた家の住人が、家に設置したカメラには、黒っぽい車が走り去る様子が映っていたといいます。
 
現場から2キロ離れた家の住人
「黒っぽい乗用車っていうんですかね。そういった形の車がすっと通った」
 
 時間は、遺体が見つかった16日の午前4時すぎでした。カメラが設置されていたのは、2人が遺棄されていた現場から2キロほど離れた住宅地です。
 
現場から2キロ離れた家の住人
「この道は行き止まりです。必ず用事がなければ入らない。その暗い時間(午前4時すぎ)に間違って入ってくるのは、なかなか考えづらい。暗い時間に車が走るのは普段ないので、やっぱり疑問に感じる」 

 車が走り去っておよそ2時間後、2人の遺体が見つかり事件が発覚しました。
 
 警察は事件に複数人が関わっているとみて、20代の男性以外の関係者からも事情を聴いて捜査を進めています。
 
(「グッド!モーニング」2024年4月19日放送分より)

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。