猛暑の予想が続く中、水曜日は『土用の丑の日』。丑の日といえば…

■かば焼きが安くなる!?特大ウナギ生む“新技術”

焦げた甘辛いタレと、脂の香りが食欲をそそる“ウナギ”。土用の丑の日を3日後に控え、連日の暑さと相まって、この時期食べたいひと品です。しかし…
「ちょっと高いんじゃない?正直言うとね。ウナギ屋さんに怒られちゃうけど」
「食べる頻度とかは減っちゃったかなと思うんですけど、娘が(ウナギを)好きで、食べに行きたいと言われても今日はやめようみたいなことを言う回数は増えたかなと思う」
スーパーなどで売られている“かば焼き”の価格をみると、約20年間で2.7倍に。やはりウナギは、庶民には“高嶺の花”なのでしょうか?

■“身近な成分”で肉厚な特大ウナギに成長

ウナギの生産量、全国2位の愛知県では、価格を抑えるための“新たな取り組み”が行われていました。
(草薙和輝アナウンサー)「愛知県一色町にある、こちらのウナギの養殖などを行う会社では現在、土用の丑の日に向けて、出荷作業に追われています」
その“取り組み”とは…
(草薙和輝アナウンサー)「え、全くこれ大きさ違いますね。大人と子ども、倍くらい太さも違いますね。こんなに違うんですね」
(兼光淡水魚 伴哲郎 主任)「大型化したウナギです。最近ではこういう大型したウナギも取り扱うようになってます」
(草薙和輝アナウンサー)「重みが違いますね。太さが明らかに違いますね。」
実際に測ってみると、一般的なウナギが200gなのに対し、大型のウナギは…
(草薙和輝アナウンサー)「おお600g、3倍?」
実はこの2匹、同じ期間養殖されたウナギです。なぜ、これほど違いがでるのでしょうか?秘密は養殖場にありました。

■“大豆の成分”で肉厚な特大ウナギに成長

Q.今入れているのは?
(兼光淡水魚 牛田貴仁さん)「大豆イソフラボンです。これを普段のウナギの餌に混ぜることによって、従来よりも約1.2倍〜1.5倍ほどの大きさのウナギを養殖することができるようになりました」
大型化の秘密は、大豆に含まれる“大豆イソフラボン”。ウナギの稚魚・シラスウナギは、成長する過程で性別が決まります。養殖の場合、9割以上がオスになりますが、「大豆イソフラボン」を与えると、9割以上がメスのウナギになることが分かってきました。メスのウナギは、食欲が落ちる冬の時期でも餌を食べ続け、大きくなりやすいのです。
(兼光淡水魚 牛田貴仁さん)「今、こちらのいけすには約3万匹のウナギを飼育しています。今は15cmあるかないかなんですが、成魚ですと大型“メス”ウナギは60cmを超える。」
試行錯誤のうえ、6年をかけて培われた養殖技術―。

Q.串の入りも違う?
「逆に(身は)柔らかいです」
大豆イソフラボンで育てた『大型メスウナギ』を、特別に調理してもらうと…
滴るほどの脂の量…並べてみると大きさはもとより、身の厚さもご覧の通り。メスウナギは、大きくなっても身が柔らかいままだと言います。
(草薙和輝アナウンサー)「改めてこんなに大きなウナギ、見たことないですね。厚みがありますね。迫力あります。それでは、いただきます。うん、こんなに肉厚なのに柔らかいです。ふわっふわ。脂がたっぷりと乗っているのでウナギの甘さも感じますね」

今年の秋口から一般市場にも出荷される予定だと言う“大型メスウナギ”。しかし養殖するには、通常の経費に加え、「大豆イソフラボン」の価格が年間600万円ほどかかります。そのため販売価格は一般的なウナギと変わらないものの、将来的には安くなる可能性があると言います。
(兼光淡水魚 牛田貴仁さん)「大型メスウナギを養殖することによって、ウナギ1匹で丼2杯作れるのではないかと。よりこの技術がもっと改良されてですね、もっと広まっていって、コストも下がってくる。少しでも皆様の食卓にお値打ちな価格でご提供できればということを目指しております。」


7月21日『サンデーステーション』より

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