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パワハラや贈答品の“おねだり”疑惑が浮上している、兵庫県の齋藤元彦知事をめぐり、百条委員会が19日に開かれました。疑惑を告発した後、亡くなった元幹部職員が訴えたかった思いは何だったのか、知人らが番組の取材に答えました。

■元局長が残した“陳述書”と“音声”

兵庫県庁の前には、斎藤知事の辞職を求める県民らが集まりました。

「(Q.一番許せない部分は)県民のために一生懸命、職務を全うしていた県民局長を『嘘八百』とか、嘘つき呼ばわりした」

亡くなった元幹部職員は西播磨県民局の局長を務めていました。予定では19日、元局長が百条委員会で証言するはずでした。

百条委員会 奥谷謙一委員長
「文書の真偽を白日の下に明らかにすることが務めであり、ひるみ滞ることのない取り組みと試みこそが、遺志に報いる唯一の最良の道だと信じて疑いません」

元局長が残した陳述書。「良心に従って、真実を述べ、何事も隠さず、偽りを述べないことを誓います」との言葉で始まるQ&A形式の想定問答を用意していました。齋藤知事の“おねだり体質”やパワハラといった疑惑について記されています。

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■ワイン「自宅で飲んだ」“おねだり”否定

■ワイン「自宅で飲んだ」“おねだり”否定

こんな音声データも公開されました。

齋藤知事の発言とされる音声
「病院の対応もしっかりしていくということと、ワインをちょっとまだ私は飲んでいないのでぜひまた。この間はイチゴ、塩はあれですけど、また折をみてよろしくお願いします」

この声はおととし11月、西播磨県民局で開かれた会合での齋藤知事の発言とみられています。

その当人は大阪・関西万博のイベントに出席していました。

兵庫県 齋藤元彦知事
「おそらく私のやり取りだと思う。ご指摘頂いたワインについて、飲んでいないので折を見て飲むなり、現場の状況を見にいくなりしたいという趣旨を込めて『よろしくお願いします』という発言をした」

齋藤知事によると、その1週間後、2本のワインが届けられたということです。

兵庫県 齋藤元彦知事
「(Q.自宅で飲んだ)そうだと思います。会社で飲むわけにもなかなかいきませんので。(Q.PR活動はしたのか)具体的なものは、おそらくしていないと思います」

音声データや陳述書は審議の資料として採用されることになりました。どちらも亡くなった元局長の妻が百条委員会に託したものです。

元局長の妻のメール
「あまりにも突然のことで、いまだに実感は湧きません。しかし、主人がこの間、県職員の皆さんのためを思ってとった行動は、決して無駄にしてはいけないと思っています。主人が最後の言葉を残していました。そこには一死をもって抗議をするという旨のメッセージとともに(中略)百条委員会は最後までやり通してほしいことが記されていました」

証人の候補は50人以上いて、絞り込みもこれからとなります。

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■元局長「残される若い職員が心配」

■元局長「残される若い職員が心配」

元局長が亡くなる10日前まで密に連絡を取り合っていた知人が取材に応じました。

元局長の知人
「稀有なタイプの人。兵庫県の県民局長というのはミニ知事さん。偉そうにする人なら天狗になるが、彼は全然そういうことはなかった。イベントをする時にお願いしに行かないといけない。小難しい人にお願いしに行っても『局長さんがやるなら、なんぼでも協力する』と、局長は住民に慕われていた」

元局長は事情聴取で告発文書の作成を認めたため、予定していた退職もさせてもらえず、懲戒処分を受けます。ところが…。

元局長の知人
「えらいきつい処分になったなと電話したら『想定内です』と。なんでやねんと聞いたら『知事が嘘八百、事実無根とまで言った。私はこういう処分になると想定していた。でも早かった』と」

ただ、事情聴取の在り方については…。

元局長の知人
「『嘘八百とか事実無根を書いたと私一切言っていないし、県の方からそんなことも聞かれなかった』と。それは怒っていました」

直属の部下だった現役の職員も話を聞かせてくれました。

部下だった現役職員
「退職間近になってから『自分はもうすぐ退職するから、残される若い職員たちが心配だな』と。自由にというか、思い切った仕事ができなくなってしまっていると。上の様子を見ながら萎縮したような仕事ぶりになっているのが、多分気になっていたんだろうと思います」

■元局長が“残した言葉”

元局長は後輩らにこんな言葉を残していました。

西播磨県民局のHPに掲載したメッセージ
「筋を通そうとして挫けることがあっても、理不尽な現実の壁に跳ね返されても、諦めないで下さいね。『いつかきっと』と心に念じながら、素晴らしい人にたくさん出会えますように。県民の皆さんの心に残る仕事に出会えますように」

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