国の安全保障に関わる「特定秘密」の不適切な取り扱いや潜水手当の不正受給などの問題で海上自衛隊トップの海上幕僚長が事実上更迭されたことを受けて、19日、新たな海幕長に斎藤聡海将(57)が就任した。同日午前、東京・市ケ谷の防衛省内の広場であった着任行事に出席。儀仗(ぎじょう)隊や音楽隊、海自隊員ら約400人の出迎えを受けた。
続いて庁舎内の海上幕僚監部の応接室で、新旧海幕長の事務引き継ぎが行われた。同日退職する前任の酒井良海将(61)は「海上自衛隊を刷新していただきたい」と激励した。斎藤氏は「日本を取り巻く安全保障環境を考えると、立ち止まることはできない」としたうえで「不正にはしっかりと対応したい」と硬い表情で決意を述べた。
酒井氏の離任行事は本人の意向で行われなかった。
防衛省は12日に218人(延べ220人)の処分を発表。その約8割を海自が占めた。海自を巡っては川崎重工業による隊員への接待疑惑も明らかになっており、防衛相直轄の防衛監察本部が特別防衛監察に乗り出している。【松浦吉剛】
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