36人が犠牲になった2019年の京都アニメーション放火殺人事件の発生から5年を迎えた18日、事件が起きた第1スタジオ(京都市伏見区)の跡地では追悼式が営まれた。
京アニの八田英明社長のあいさつ全文は次の通り。
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本日は5年目の追悼式にご参列いただき御礼申し上げます。
5年目の節目にあたり一言ご挨拶(あいさつ)申し上げます。
5年という月日は、あっという間に過ぎ去りましたが、ご家族の皆様にとって、さぞかしつらい日々をお過ごしのことと思います。
このような事件が起きてしまい、大事なご家族を守れなかったことは断腸の思いです。まことに申し訳なく存じます。
私どももこの5年間、必死で過ごしていました。作品をつくり続けることが皆の思いを引き継ぐことと強く胸に刻み、一歩一歩歩んでまいりました。
5年が経(た)って、改めて振り返ってみて、36人の仲間は当社を代表する、広い意味において日本を代表するクリエーターであり、将来確実にそうなるであろう仲間たちでした。人間的にも魅力ある、そうそうたる人たちでした。
その仲間を亡くしたその時の無念さ、憤りは相当なものでした。経営的には、会社を継続できるのか、相当な不安、懸念がありました。
ただ、会社を守り、彼ら彼女たちの生き様をどう引き継ぐのか、作品をどう繋(つな)げるのか、そういう一心でスタッフが目を真っ赤にして机に向かっていた様を思い出します。
5年の間に、3本のテレビシリーズ、6本の劇場映画を製作してきました。直近では、皆とともに作ってきた大事な作品であります「響け!ユーフォニアム」シリーズの新作を公開しました。
昨年8月には「特別編 響け!ユーフォニアム~アンサンブルコンテスト~」を劇場で公開、そして今年の4月には「響け!ユーフォニアム3」をテレビ放送したところ、大変ありがたいことに非常に多くの反響をいただきました。
吹奏楽にかける青春を描いた本シリーズの制作は、並大抵ではない相当な技術が要求されます。みんなからの思いや技術を引き継いで、スタッフー人ひとりが最大限の能力を発揮し、見事に作り上げてくれました。その情熱がご視聴いただいた方々に届いたことは、この上なく喜ばしいことでございます。
今後もみんなが遺(のこ)してくれた志を胸に、作品をつくり続け、そして届けてまいります。
また、先日の7月14日には、「志を繋ぐ碑」を宇治市に寄贈いたしました。ご家族の皆様には、お力添えとご理解をいただき、まことにありがとうございます。
碑の建立にあたり、ここにおられますご家族代表の皆様には、慰霊碑建立委員会を始め、大変ご尽力をいただきましたこと、改めまして御礼申し上げます。
そのほか碑の建立に携わっていただいた関係者の皆様のお力添えをいただきまして、碑の建立を実現することができました。
「志を繋ぐ碑」が、多くの方々にとって想(おも)いを寄せる場所になりましたら幸いです。
「志を繋ぐ碑」に続きまして、ここ第1スタジオ跡地につきまして、慰霊碑や建物等、具体的に検討してまいります。引き続きお力添えのほどよろしくお願いいたします。
改めまして、本日は追悼式に参列いただきありがとうございました。
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