第171回芥川賞が発表され、朝比奈秋さんの「サンショウウオの四十九日」と松永K三蔵さんの「バリ山行」の2作品が選ばれました。

【サンショウウオの四十九日】
 「サンショウウオの四十九日」は一つの身体に二つの人格をもって生まれた結合双生児の姉妹の物語です。

 周りからは左右でいびつな一人の人間に見えても、それぞれの感情や思考を共有し、互いを補完しながら生きていく姿が描かれています。

 作者の朝比奈秋さんは京都府出身で現役医師の43歳です。

 2021年に医師として勤務しながら執筆した「塩の道」でデビューし、去年、「植物少女」で三島由紀夫賞を受賞しています。

 芥川賞は初めてのノミネートでの受賞となりました。

【バリ山行】
 「バリ山行」は経営の傾いた建築会社で働く主人公と、登山道以外の道「バリエーションルート」を登る、登山の達人であるベテラン社員との物語です。

 職場での人員整理という厳しい現実と、2人が進んでいく山の情景や臨場感が対照的に描かれています。

 作者の松永K三蔵さんは水戸市生まれの44歳です。

 関西学院大学を卒業後、2021年に「カメオ」で群像新人文学賞を受賞し、デビューしました。

 芥川賞は初めてのノミネートでの受賞となりました。

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