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 危険な暑さが続く日本列島。訪問診療を行う「ファストドクター」には熱中症を疑うSOSが相次いでいます。密着すると、この暑さが熱中症以外にも様々な体調不良を招いている現状が見えてきました。

■熱中症SOS相次ぐ「エアコン消えていて…」

救急往診の現場に密着 この記事の写真

 午後9時すぎ、病院の診療時間が終わった後でも患者と向き合う人がいます。それが民間医療機関・ファストドクターです。時間外でも駆け付ける救急往診の現場を密着しました。

ファストドクター

 ファストドクターでは、アプリで相談を受けて緊急度を判定し、夜間や休日に必要に応じて医師を救急往診に向かわせています。

ファストドクター所属 吉井康裕医師

 SOSを受けて患者の家を訪れたのは、ファストドクター所属の吉井康裕医師です。

吉井医師
「きのうくらいから調子が悪かった?」 19歳男性
「起きたらエアコンが消えていて、もしかしたらそれで熱中症になったのかなと。それが悪化して…」 19歳男性

 男性は前日から身体のだるさが続き、40℃を超える発熱もあったため熱中症を疑い、ファストドクターに相談しました。

吉井医師
「おなかの所でやはり音が鈍い。下痢をしてたりとかおなかの症状とかも合わせて考えると、急性胃腸炎による症状」

 吉井医師は、男性の体調不良の原因が熱中症以外にもあると感じました。

吉井医師
「プラスもしかしたら、熱中症とかで体力を削られていたから、(急性胃腸炎に)なりやすかったかもしれない」 急性胃腸炎と診断

 吉井医師は急性胃腸炎と診断し、薬を処方しました。

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■「地球が回っている」SOS…異例の暑さで

■「地球が回っている」SOS…異例の暑さで

吉井医師
「(Q.続いての予定は?)85歳女性。トイレに行っても(尿が)出ない。ということは、水分が足りないのかな」 日本列島は異例の暑さ

 ファストドクターからスマホに情報が届き、現場に向かいます。7日には静岡で40℃を記録し、梅雨にもかかわらず、日本列島は異例の暑さとなっています。

救急搬送者数は2倍以上に増加

 消防庁によると、熱中症による救急搬送者数は去年の同じ時期に比べ、2倍以上に増加していて、現場でも熱中症が増えているといいます。

ファストドクター 菊池亮代表
「今月に入って、患者さんからの(熱中症疑いの)相談は増えてきています。熱中症と診断される患者さんの数は昨年の同じ時期と比べておよそ2倍に増えてきています」 暑熱順化が追い付かないという 吉井医師
「急に暑さと湿度が高くなることで、暑熱順化が追い付かなくて、体調崩されるというパターンが多い」

 吉井医師の元には、また熱中症の疑いがある患者からの往診要請が届きました。熱中症なのかどうか、往診は移動中から始まります。

吉井医師
「僕は予習する派なので」 80代女性

 前日に墓参りしたという80代女性。この日、朝からめまいが続いているため、ファストドクターに助けを求めました。

80代女性
「(Q.めまいは今までありましたか?)いいえ」
「(Q.初めて?)はい。頭を起こすと、地球が回ってるみたいな」
「テレビでも私たちの年代が熱中症が多いというのを見ていた」 点滴と薬で対応

 女性は熱中症ではなく、良性発作性頭位めまい症の可能性があるという診断で、点滴と薬で対応しました。

吉井医師
「これからまた暑くなっていきますので、体の異変を感じた時はすぐに医療機関を受診するか、相談していただけると良いかと思います」

(「グッド!モーニング」2024年7月15日放送分より)

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