駿河湾に浮かぶ淡島にあり、2月に閉園した水族館「あわしまマリンパーク」(静岡県沼津市内浦重寺)が経営体制を刷新して12日、再オープンした。水族館は沼津が舞台のアニメ「ラブライブ!サンシャイン‼」ゆかりの地。ラブライブファンでもある放送作家の今村クニト氏(54)が運営会社の株を購入し社長に就任し、再開を目指し奔走していた。今村社長は「普通に来られて普通に楽しめる水族館にしたい」と語った。
午前9時の販売開始を前に、約30人がチケット売り場に行列を作った。一番乗りは愛知県大府市の会社員の男性(33)。午前3時に自宅を車で出発し、同6時に到着したという。「船で水族館に渡り日常から切り離されるので、仕事で疲れたメンタルが癒やされ、年に2、3回来ていた。本当に好きな場所だったので再開は素直にうれしい」と笑顔で話した。
水族館への渡し船の乗客には今村社長がハイタッチなどで歓迎した。再開を前に清掃のボランティアを募ったところ全国から人が集まったといい、今村社長は「これほど全国から愛される場所は残さないとダメだと改めて思った。『普通が一番』と新型コロナでも実感した」という。
従業員はアルバイトを含め54人。イルカやペンギンを担当する飼育員の吉田唯斗さん(23)は2月の閉園に伴って解雇された後もボランティアで飼育を続けた。「動物が好きで専門学校にも通ってこの仕事に就いた。一時は他の仕事を探したが、命を預かっているので動物の世話を続けた。お客さんの笑顔を見て、準備したかいがあったと感じた」と話した。
料金は中学生以上3000円、4歳~小学生1500円。休演したままのアシカショーは20日をめどに再開する予定という。【石川宏】
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