寺島実郎さん=東京都千代田区で2022年3月10日、竹内紀臣撮影

 カジノを含む統合型リゾート(IR)誘致が撤回された山下ふ頭の再開発を話し合う横浜市検討委員会は12日、第4回会合を市内で開いた。前委員長の寺島実郎氏(日本総研会長)の辞任が報告され、元日本長期信用銀行副頭取の平尾光司氏が新委員長に就いた。

 検討委には、地域の意見を聞くため、市が選んだ「地域関係6団体」が、1月の前回会合から加入。横浜市長選で山中竹春市長を支援し「ハマのドン」と呼ばれる藤木幸夫氏も横浜港振興協会長として参加している。

 藤木氏は独自の再開発構想を掲げる横浜港ハーバーリゾート協会長も兼務している。一部委員が「利権を持つ団体が参加すると(会合が)利益調整組織になってしまう」と懸念を表明していた。

 寺島氏は2023年8月の初会合で検討委委員長に就任。市によると、春ごろ「多忙、一身上の都合」を理由に辞意を口頭で伝えた。寺島氏も以前、記者団に対し「会合での発言が個人的な利害による意見や提案にならないよう、しないといけない」と話しており、市側と方向性の違いがあったとみられる。

 12日の会合では、検討委の答申を踏まえて今後市が策定する再開発の「事業計画」について、一部委員が言及。「市民を入れた検討委員会で計画策定をすべきだ。過半数は市民の代表で」との見解を示した。

 次回会合は8月を予定している。市は年内に最終答申を受けたい考えだ。【岡正勝】

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