機能性表示食品制度の問題点などについて説明する奈良県医師会の安東範明会長=同県橿原市で2024年4月18日午前10時32分、川畑岳志撮影

 小林製薬の「紅こうじ」を使った機能性表示食品を摂取した人から健康被害の報告が相次いでいる問題で、奈良県医師会は18日、機能性表示食品制度を抜本的に見直すよう提言した。安東範明会長は橿原市内膳町で開いた記者会見で「国が安全性や有効性を審査しないのに、医薬品や特定保健用食品(トクホ)と同じように審査に通っていると誤解されやすい」と制度の問題点を指摘した。

 機能性表示食品の効果を示す表現についても「消費者に誤解を与える可能性がある」と指摘。特定の栄養を一定基準以上含む「栄養機能食品」は国が定めた表現に限定される一方、機能性表示食品では企業が比較的自由に決められるためだ。

 県や奈良市によると、小林製薬のサプリメントを摂取して健康被害や不安を訴えている人は18日午後2時時点で計男女26人だという。市保健衛生課によると、市内の1人は腎機能の低下により一時入院していたという。安東会長は「不安がある方は最寄りの医療機関に行ってほしい」と呼びかけた。

 また、サプリメントについて「摂取している場合、薬との飲み合わせを注意する必要があるため、受診のときは医師に伝えてほしい」と述べた。【川畑岳志】

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