恋愛感情につけ込み、パパ活相手の男性3人から合わせて1億5500万円をだまし取った詐欺罪などで、渡辺真衣被告(25)に懲役9年・罰金800万円の判決が言い渡された「頂き女子りりちゃん」の事件を受けて、いま探偵事務所に相談が急増している。T.L探偵事務所の冨澤竜也代表は「金を貸して返ってこない、女性の居場所を捜索してほしいといった相談が増えた」と語る。
【映像】「ちょっと頭悪いなぁ」街の女性の声
「パパ活」とは、食事やデートなどをして、女性が男性から金銭的支援を受ける疑似恋愛のこと。報酬の相場は、食事相手が1〜3万円、デートなどレンタル彼女が1〜5万円程度。相談者の多くは40代から50代で、被害金額は平均200万円、中には2000万円以上を貸してしまった男性もいるという。そのお金を取り返したいと、消えたパパ活女性の消息調査が殺到しているそうだ。
『ABEMA Prime』では被害に遭った当事者に話を聞くとともに、“自業自得なのか”について議論した。
■「ウソとわかっていても“情”が芽生える…」
50代の会社役員・田中さん(仮名)は、パパ活アプリでこれまで50人以上の女性と会ってきた。「モテないオジサンが若い女性と出会えるのはパパ活だけ」という考えがあるという。また、背景には「妻とは20年近くそういう関係でない」ことも。「恋愛経験も少ない中、お金が入ったため、この機会にと始めた。1回だけ食事した相手が多く、10人ちょっとは長く続いた」。
田中さんが被害に遭ったパパ活女子は、「すぐに嘘とわかるくらいの不幸話」をしてきたという。しかし「嘘とわかっていても、いつの間にか『情』が芽生える」。被害例として、「貧乏で卒業旅行代に行けない。お金貸して」で10万円、気に入った女性に相場より多いお手当で4万円など。「だまされるとわかっていても、お金を渡すことが数回あった」という。
10万円を渡した女性とは「LINEを毎日交換する」との約束もしたが、2、3日すると途絶えてしまったそうだ。その後の対応については、「被害届の出し方がわからず探偵事務所に相談したが、調査費用もかかるためすぐにLINEは消した。毎回こういう話になるのではと危機感を覚えた」と明かした。
■「恋人になると思っていたので、信用しないといけない気持ちがあった」
「夜のお店で出会って、そこからプライベートでも会うようになった」
こう話すのは、30代の高橋さん(仮名)。20代前半の女性とお店で連絡先を交換すると、女性側から積極的な誘いを受ける。食事をごちそうしたり、デートでは交通費程度の「おこづかい」を渡す関係が続いた。
突然連絡が途絶えたと思いきや、1週間後に「入院しないといけない。お金に困っている」と20万円を貸りたいという旨のLINEがくる。それを皮切りに、「病気で働けないから生活費が苦しい」などお金を無心する連絡が届くように。パパ活詐欺も頭をよぎったが、「恋人になる人だと思っていたので、信用してあげないといけない気持ちがあった」。合計60万円を貸した結果、女性はそのまま消息を絶った。
■「パパ活詐欺」に巻き込まれやすいタイプとは
パパ活詐欺の被害には、2つのパターンがある。一般的なのは、アプリやパーティーなどで出会い、「あなたは特別なパパ」と恋愛感情をチラつかせ、金銭をだまし取るケース。これに加えて、最近増えているのは、「パパ活だと気づかずにだまされる」ケースだ。夜のお店や風俗で恋愛感情をあおり、パパ活女子であることを濁しながら、お金を引き出す。りりちゃんの事件も、風俗店の客をだましていた。
パパ活詐欺に巻き込まれやすいタイプとしては、女性経験が少ない人や、「結婚」や「交際」への理想が高い人、無趣味・ファッションに興味がない人が挙げられる。高橋さんは、自己分析として「ファッションなども無頓着。モテないほう」「女性経験も少ないほう」「女性には真面目。浮気経験もない」といった要素を挙げつつ、自分も当てはまると語る。
田中さんは「オジサンがだまされる理由」を考察。まずは、若い女性との恋愛に慣れていないから「情」が芽生えやすいこと。次に、経済力、人生経験など、心のどこかで「自分は特別」「まだモテるかも」といった根拠のない自信をもっていること。そして、ただ単純に若い女性好きで、「下心」で理性を無くすこと、だとする。
グラビアタレントで個人投資家の杉原杏璃は、「陥れてやろうという思惑が見え隠れする女性だと、『裏切られた』と男性に感じさせる」と指摘。一方で、「冷静な人が外から見るのと本人とでは感情が異なる。若くてかわいい子にお願いされ、好意もあるのであれば、“断るのは格好悪い”という気持ちが働くのではないか」との見方を示した。
■「同情しない」女性多数 パパ活詐欺に遭うのは自業自得?
新宿にいた20代前半の女性たちに、パパ活女子にだまされるオジサンについて聞くと、14人中13人が「同情しない」と答えた。理由は「お金で割り切るのがパパ活で、必要以上にハマる方が悪いと思う」「単純な嘘に騙される方が悪いし、まったく理解出来ない」「娘くらい年の差がある女性と、恋愛出来ると思っているのが悪い」などと手厳しい。
こうした意見に、田中さんは「おっしゃる通り」と同意しつつ、「半年前にパパ活はやめた」と明かす。高橋さんも同様に「もう続けていない。自分が悪い」と後悔を語る。
これまで紹介したケースは、そもそも詐欺にあたるのか。荒川香遥弁護士によると、微妙なラインではあるものの、詐欺になる可能性があるという。「お金を貸して」などのお願いだけでは詐欺にならないが、意図的に「だます」「勘違いさせる」行為があった上で金銭を受け取ると、ウソの大小にかかわらず「詐欺被害に遭った」と言えると指摘。しかし、警察や裁判所が詐欺被害を認めて動くかは別の話で、りりちゃんのケースのように多額の被害や複数の被害者が入ってようやく動くこともあるそうだ。
冨澤氏は未然に防ぐ策として、「『お金を貸して』などと言われて、違和感を感じた時には距離を置く。急かしてくる時は即決せず、弁護士など誰かに相談することが必要だ」と促した。(『ABEMA Prime』より)
・【映像】「おぢはみんなちょろい」“パパ30人”“月収500万”パパ活女子の実態・【映像】パパ活女子が嫌う「握りしめ系おぢ」とは・“パパ活不倫”で辞職した宮沢元議員がラブコール「今、会いたい」女優&タレントを明かす・「パパ活で車をもらっているんだろ」高級車所有の美人YouTuber、“リアルな金銭事情”を説明・【映像】興味本位で始めたパパ活と後悔…なぜカラダを売った?10代の後悔と罪悪感鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。