千葉県山武市の殿下海岸で8日、海開き式があり、海水浴場の監視パトロールと救助活動に今季から活用するドローンの実演が行われた。市内の海水浴場5カ所は、13日~8月25日の間、一斉に開設される。
海開き式には、関係者約70人が出席し、神事で安全を祈願した。市内で最も来場者が多い本須賀海水浴場は、きれいで安全なビーチの国際認証「ブルーフラッグ」を6年連続で取得。市観光協会の鈴木章浩会長は「5カ所はそれぞれ特徴があり、海の家も準備を整えている。楽しんでください」とアピールした。
市によると、海水浴場のパトロールにドローンを活用するのは、県内では初めて。本須賀海水浴場で、1、2機を、ドローン会社の担当者とライフセーバーが連絡を取り合って運用する。
この日の実演は、30メートル沖で溺れているとみられる人物がいるとの想定で実施。ドローンが空中から発見し、陸上のモニターに映し出されると、ライフセーバーがボードを使って現場に向かい、救助した。
松下浩明市長は「ドローンによる監視で、海水浴客のさらなる安全確保に努めたい」と話した。
千葉県内、55カ所が順次オープン
県の発表によると、今シーズン開設する海水浴場は、1日に開設済みの九十九里町の2カ所をはじめ、18市町村の計55カ所。今後、順次オープンする予定。県によると、検査の結果、全て海水浴場として適した水質だった。
県内には本来、19市町村に60カ所の海水浴場があるが、九十九里浜にある堀川浜(匝瑳市)や飯岡(旭市)、木戸浜(横芝光町)のほか、勝浦中央(勝浦市)、津浜(富津市)の5カ所が今シーズンの開設を見送った。うち堀川浜は、砂浜の著しい浸食が改善せず、海底の地形や一部の海流が危険であることから、2010年以降、開設していないという。
県によると、九十九里浜の浸食は、北の屏風ケ浦(銚子市、旭市)と南の太東崎(いすみ市)で浸食対策を行ったことが影響し、海岸に運ばれる砂の量が減ったことで起きたという。このため県は「九十九里浜浸食対策計画」を策定し、約60キロに及ぶ海岸線で砂を人工的に増やす「養浜」や施設整備により、幅40メートルの砂浜を確保できるように取り組んでいる。【高橋秀郎】
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