東北や北陸で今年一番の大雨になった一方、東京では40℃に迫るなど、各地で災害級の暑さとなっています。

■東京40℃迫る 災害級の暑さ

 東京・府中市では観測史上最高気温を更新し、体温超えの39.2℃まで上昇。これは今年の東京の最高記録です。

 全国で最も暑くなったのは、和歌山県新宮市。こちらも観測史上最高となる39.6℃を記録しました。

住民
「すごい暑いよー。74歳になるのでちょっと堪えるねぇ」

 夕方になっても危険な暑さは続きます。今年一番の暑さとなった東京都心。最高気温は36.0℃まで上がりました。

 朝から傘で埋め尽くされた通り。今や厳しい日差しの下では無くてはならないものです。

 この炎天下で観光客は予定を変更せざるを得ません。

京都から来た観光客
「めちゃくちゃ暑い。皇居のそこまで入ろうと思ったが、もう帰ろうかと」

大阪から来た観光客
「熱中症は気を付けないと危ないと思うくらいの暑さ」

 涼を求めて水浴びに来た女の子。せっかくの貸し切り状態ですが…。

警備員
「(Q.きょうは何組来ている?)今のところ3組。少ないですね外でちゃうと暑いから」

 住人の半数近くが高齢者の埼玉県鳩山町。防災無線で注意を呼び掛けます。

カラオケ店を経営している人
「店にいてもお客さんがやっぱり来ません。暑いから。ここはお年寄りがたくさんいらっしゃる」

 地元住民の憩いの場も…。

 普段は100人近く訪れるという公園も聞こえてくるのは鳥のさえずりだけ。町から人が消えるほどの暑さとなったなか、人々が求めるものは…。

 町の避暑地にもなっているという地元のカフェ。店側はクリームソーダなど冷たい飲み物の仕入れを増やし、暑さに対応しています。

cafe Nobby 清水伸幸さん
「全国的に見ても(鳩山町は)暑い地域なので、涼みに来てもらって飲み物を飲んでもらえると」

■訪問診療 高齢者が脱水症状に

 体温を超える危険な猛暑。それだけではなく、湿度も高いことで熱中症のリスクが急激に高まっています。

 東京は今年最も早い午前10時すぎに気温が35℃に達し、湿度も68%と高い数値に。

80代
「もう参ったきょうは本当に。ゆうべもよく眠れない。クーラー付けっぱなし。こんな朝はない、異常ですよ」

 今年の7月は去年よりも熱中症の危険が高いと訪問診療の医師は警鐘を鳴らしています。

ひなた在宅クリニック山王 田代和馬院長
「我々の事例としても『外にいる時間が短時間だったのに短時間で体調を崩した』という人が去年はあまりいなかった気がするが、今年はそれなりにいる。本当に最近は突発的に雷雨が降って、湿度が上がってまとわり付くような不快感、熱中症のリスクになる」

 7月は危険な暑さとゲリラ雷雨が重なり、梅雨入りが遅れた6月よりも熱中症のリスクが…。

 実際、7月に入り高齢者からの診察依頼が相次いでいます。都内に住む80代の男性は自宅で脱水症状に。

田代和馬院長
「体調どうかな?まだ本調子になりきれてないですか?まだちょっと意識状態がもうろうとしてるかな。脇もカラカラ」

 部屋の冷房が付いておらず、熱中症の症状が出ていました。

■エアコン壊れ 自宅で“熱中症”
 
 自宅で熱中症と診断された80代の男性。

田代和馬院長
「爪の色もなかなか戻らないね。脱水症になっているから。点滴しますね。汗だくになりながら…」

 部屋の冷房は付いていません。2日後に訪問した時もエアコンは止まったまま。

田代和馬院長
「クーラーも全然付かないですかね。無理か。冷風機が幸い頑張っているけどという感じか」

 猛暑にもかかわらず、冷房を付けていない訳は…。

男性の妻
「先行き不安はいっぱい。今まではエアコンがあって当たり前の生活だったけど、ある程度、寿命で壊れて使えなくなっている」

 エアコンが壊れていて、冷房が使えない状態でした。

田代和馬院長
「僕たちが行った先で熱中症だなと思う家庭のほとんどがエアコンを使っていない人が多い。現在、エアコンを買い替えるにも経済的な余裕がない人も一定数いる。こういった患者のほとんどが、『去年までは大丈夫だったから今年も大丈夫だと思った』と話す人が非常に多い」

■業者に依頼急増“30台の予約”
 
 暑い町・埼玉県熊谷市では、2日連続の猛暑日となるなか、エアコンの交換、取り付け工事の依頼が先月下旬から急増していました。

 依頼したのは70代の男性です。

エアコンの交換を依頼した住人
「(エアコンは)もう20年ほど経つのでかなり(壊れる)リスクがあるかなと。故障した時に困る。肝心な時に役に立たないほどつらいことはない」

おうちサポートつねみ 常見俊弘社長
「今月、今の段階で30台くらい予約が入っていて真夏の暑さのなかで壊れてしまうと命の危険があるので、そこを考えての買い替えがあるのでは」

■災害級の暑さが続くワケ

 テレビ朝日のウェザーチームによりますと、南海上の太平洋高気圧と中国大陸からのチベット高気圧が日本列島付近で重なり、災害級の暑さとなっているといいます。

▶テレ朝天気

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