3日、厚生労働省は将来の年金額の見通しを示す5年に1度の検証結果を発表しました。私たちが将来貰える年金はどうなるのか、試算しました。
■5年に1度 4つのシナリオ公表
年金受給者(75)
「ギリギリだよ」
年金受給者(83)
「あと5万円くらいは必要」
将来貰える年金は増えるのでしょうか。公的年金の健康診断ともいわれる「財政検証」が5年ぶりに実施され、給付水準の見通しが示されました。
政府は年金の給付額の目安を、現役世代の平均的な手取り収入の50%を下回らないように定めています。今年度は61.2%です。
公表されたのは4つのシナリオ。経済の成長率によって給付額は変わり、最大で57.6%。最低の場合33%から37%まで落ち込むといいます。
いずれも現在の61.2%を下回っているように見えますが、専門家の見立ては違いました。
■将来の年金は 3つの案を検証
将来の年金は月にいくら貰えるのでしょうか。
経済成長率が高いケース2(37年度、57.6%)の場合、夫婦2人のモデル世帯では2040年度の資産が…。
ニッセイ基礎研究所 中嶋邦夫さん
「経済の前提がバブル期を含む過去40年間の平均くらいの成長率の場合、現在の夫婦の年金額が22万6000円から、2040年には25万1000円になる見込み」
経済成長率が高いケースでは、月に2万5000円アップする見込みです。
そして、最も現実的だというのが経済があまり成長しないケース。
中嶋邦夫さん
「夫婦の年金額が、現在の22万6000円から21万6000円に減額になる見込み。物価の伸びよりも年金額が目減りする見込み」
今より1万円減ります。では、最悪のケースは。
中嶋邦夫さん
「夫婦の年金額が現在の22万6000円から、2040年には20万6000円になる見込み。5年前の見通しよりも良くなった。好調な株式相場の運用で積立金がうまくいった」
■国民年金“5年延長案”は見送り
また、今回の財政検証で注目されていた国民年金保険料の納付期間の45年への延長は見送る方針です。
■街の人に聞く 年金額&いくら必要?
街の人は年金をいくらもらっているのか、生活するためにいくら必要なのか聞きました。
約15万円/月(厚生年金+遺族年金) 86歳女性
「月15万くらい」
「(Q.月にいくら欲しい?)年金から1から2万、お小遣いが出る(くらい欲しい)ひ孫までいる、家族関係が良い。大事にしてくれるから、そういう子たちの誕生日とか入学の時にあげたいじゃない」
男性は80歳まで働きました。
月35万円/月(厚生年金) 87歳男性
「(Q.年金は月にいくら?)35万!15歳から(働いた)60歳で定年(退職)していたらヒイヒイ言ってたと思う」
かたや、ぎりぎりの生活を送る人も…。
約7万円/月(国民年金) 80歳男性
「一日1食ですよ。7万くらいでしょ、もらうのが。家賃払うと1万2000から3000円残る。それで1カ月できるわけない。ふりかけ納豆ぐらい。刺し身が食べたい、これが食べたいと言っても買えない」
「(Q.月いくら必要?)10万は欲しい。そしたら何とか生き延びられるのでは」
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