秋学期の始まる前、友人たちとおそろいのTシャツを着て参加した新入生向けイベント

 昨年8月から始まった米国ミシガン州のウェスタンミシガン大学での約8カ月間の留学が終わった。この間を振り返ると、つらかったことはほとんどなく、まだ米国にいたいと思えるほど、毎日楽しい日々を過ごすことができた。

人と話すことが苦痛でなくなった

 帰国して再会したほとんどの日本の友人には、以前より明るくなったねと言われた。留学前には見せることのなかった、生き生きとした表情で接することができるようになったのかもしれない。確かに、前よりも人と話す時に緊張しなくなり、苦痛に感じることはほとんどなくなったと思う。この対人スキルが身についたのは、いつもとは異なる言語を話す環境にいたからだと考えている。

 留学中は英語をコミュニケーションツールとして使っていたことから、日本語を使う時よりも語彙(ごい)が少ない中で、会話を成立させなくてはいけなかった。しかし、それが筆者にとってメリットとなったのかもしれない。思ったことを、表情を交えて簡単な言葉で率直に言うということにつながったのだ。日本語を話していると、丁寧語を無駄に使ってしまったり、伝えたくても失礼になるかもと発言を自粛して、苦痛に感じたりすることがあった。

 この留学中は英語を学びに来ている立場であったから、決して完璧な英語を目指さなくてもよかった。また、米国には自分よりも個性豊かな学生が多く、失敗することが気にならなかった。そんな環境で過ごせたからこそ、語学力の向上に限らず、新たな自分を自然に出し、それを日常的な自分の姿とすることができたと考える。

帰国前、レストランで最後の夕食をともにした友人たち=村脇さち撮影

帰国しても続く交流

 現在は、交換留学プログラムで他国から日本語を学びにきている留学生の会話サポーターボランティアをしている。留学生の日本語の授業に参加し、スピーキングの練習や指導の補助を行ったり、授業外では留学生と遊んだり、イベントの企画をしたりする日々だ。

 ウェスタンミシガン大学からも、留学中に関わりのあった3人が参加している。さらに、同大学は現在夏休み中のため、正規で同大学に在籍している韓国人の友人が観光で日本に来てくれ、再会を果たした。たまたま今年選んだ留学先で、たまたま出会って仲良くなった友人たちと今も交流が続けられて本当に幸せだ。

友人たちとさまざまなお店を訪ね歩いた大学付近のダウンタウン

 筆者にとって米国留学は、視野を大きく広げた経験であり、多くの知識やスキルが得られた期間だった。米国で知り合った友人と週末だけでなく、平日の放課後も一緒に過ごして時間をともにしていると、まだ留学が終わっていないようにも感じる。そんな日常が、今の生活をより有意義なものとしてくれている。

 今後は、留学で得た幅広い経験や語学のスキルを武器に、国内外問わず情報を発信・報道できる職を目指して残りの大学生活を過ごしたい。また、留学先で出会った最高の友人とこれからも良い付き合いを続けていきたいと思う。

【日本大・村脇さち(キャンパる編集部)、写真も】

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。