29日午後6時すぎ、イギリスから帰国された天皇皇后両陛下。秋篠宮ご夫妻が出迎えられました。それに合わせ、宮内庁はオックスフォード大学訪問について両陛下の感想を文書で発表しました。
天皇皇后両陛下のご感想
「懐かしい方々にお会いできたことは、大変うれしいことでした。ロンドンと同じように、天気にも恵まれ、心温まる充実した滞在になりました」
■“思い出の地”を笑顔で散策
イギリス滞在最終日となった28日、両陛下揃って散策されたのは、お二人が留学されていた思い出の地、オックスフォード大学。お二人揃ってこの地を訪問されるのは初めてで、雅子さまは、笑顔を見せられる場面も。ちなみに陛下が締められていたネクタイは、40年前の留学中に買ったものだそうです。
両陛下は、オックスフォード大学の総長ら40人あまりとの昼食会に臨まれ、陛下は、母校への想いを述べられました。
昼食会での陛下のお言葉
「雅子と私は、オックスフォードで経験した何ものにも代え難い日々について、しばしば楽しかった思い出を語り合います。日本の若者達がオックスフォード大学のみならず、海外へ留学して広く世界に学び、私たちと同様にすばらしい経験を得られることを希望します」
沿道では、留学中の学生から声をかけられ、会話される場面もありました。
留学中の女性「陛下、こんにちは」
陛下「こちらで勉強を?」
女性「先月から留学を始めました」
陛下「そうですか、よい留学生活を」
その後、お二人は陛下が学ばれたマートン・コレッジを訪問。校内にサクラを植樹されました。
■学生寮で撮られた“サプライズ写真”
報告・醍醐穣記者
「陛下が学ばれたマートン・コレッジの訪問を終えまして、校舎から出てきます。学校の関係者と今、握手をされています」
両陛下が握手をされたこちらの男性は、陛下のご学友、ジョナサン・マンさん。陛下からあるものをプレゼントされたといいます。
陛下のご学友ジョナサン・マンさん
「陛下は私にこの本をくれました。研究されている水についての講義本です。読むのが楽しみですね」
そして、陛下が暮らした学生寮にも足を運ばれました。寮内の様子は、撮影できませんでしたが、宮内庁のインスタグラムに気になる投稿が…。両陛下が二人揃って寮の窓から顔を出されている写真がありました。実は、この場所は…陛下が留学当時、生活をされていた寮から撮影された写真なのです。
同行取材したテレビ朝日社会部 遠藤行泰記者
「“昔ここに住んでいたんだ”という会話を交わされる程度だと思っていたら、大学側から提供された写真をみたら、部屋の中に両陛下が立っている写真だったものですから、我々プレスも驚いたというのが正直なところです」
■“特別な思い”強くにじむ訪問に
両陛下に同行取材した記者が現地で目の当たりにしたのは、今回のイギリス訪問にかける特別な想いだったと話します。
同行取材したテレビ朝日社会部 遠藤行泰記者
「イギリスでの両陛下、特にオックスフォードでの両陛下は、これまでに見たことがない笑顔でした。本当に幸せいっぱい、胸いっぱいという感じでした。どこを切り取っても、本当にお二人が満面の笑みを浮かべていらっしゃる。あんな笑顔は私は初めて見ました」
“特別な場所”に帰ってきた両陛下。チャールズ国王・カミラ王妃主催の晩餐会のスピーチでは、ケンブリッジ大学出身のチャールズ国王の前で会場の笑いを誘いました。
晩さん会での陛下のスピーチ
「オックスフォードにも訪れる予定です。残念ながらチャールズ国王陛下のゆかりの地ではありません…」
これにはチャールズ国王も笑みを浮かべていました。
■雅子さま 恩師と再会「本当に幸せそう」
皇后雅子さまは、外務省時代に留学されていた「ベイリオル・コレッジ」を訪問し、恩師らと旧交を温められました。留学時代、雅子さまを指導した恩師は久しぶりの再会を喜びました。
雅子さまの恩師 ルーカス・チュカリスさん
「雅子さまと話した内容は、昔話ですよ。あとは娘の愛子さまについても話してくれました。イギリスに戻られて雅子さまは本当に幸せそうでした」
雅子さまは、オックスフォード大学から「名誉法学博士号」を授与されました。陛下と一緒に式典に出席する際には、赤いガウンと黒い帽子を着用されていました。
思い出の地を散策されていると沿道からは大歓声が…。雅子さまは、陛下と一緒に沿道に集まった人々に声をかけられていました。
小さな子どもと会話する場面もありました。こちらの女性は、その子どもたちが通う学校の校長。雅子さまと英語でやりとりされていました。
校長「子どもたちと話をしていただいてありがとうございます」
雅子さま「とても良い学校ですね」
校長「素晴らしい学校で、誇りに思っています」
両陛下は、帰国に合わせ、今回の訪問について、文書で感想を述べられました。
天皇皇后両陛下のご感想
「今回、オックスフォードを初めて二人で訪れることができたことをうれしく思っています。オックスフォード大学では、パッテン総長に昼食会を催していただいたのに引き続き、皇后に名誉博士号を授与していただいたことを心から有り難く思いました。この度の訪問により、両国の国民の相互理解が更に深まり、日本と英国の友好親善と協力関係が一層進展することとなればうれしく思います」
(6月29日OA「サタデーステーション」)
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