子育て支援について、画期的な取り組みを実施したことで、東京などから多くの子育て世代が移り住む町があります。人口が増加し「消滅しない町」と呼ばれるまでになった自治体の秘策とは。

 都心から電車で1時間ほどのおよそ2万人が暮らす埼玉県滑川町。

東京からの移住者
「子どもが2人産まれた状態で引っ越してきたんですけど、もう一人ほしくなって3人子どがいる」

 実は、この滑川町は、2000年以降、人口が5割以上増えています。

 そのなかでも特に18歳未満の子どもがいる世帯では、6割以上も増加するなど子育てしやすい環境を求め若い世代が移住しているのです。

 その結果、全国の自治体でわずか8つしかない「人口が安定し、100年後も消滅しない町」に選ばれました。

 給食費は、2012年から年収に制限を設けず中学3年生まで無償にしました。

 この制度を開始した5年後に文科省がまとめた統計でも全国で4.4%しか導入されていない画期的な取り組みです。

 2006年に始めた医療費の助成については当初12歳まででしたが、今では18歳まで拡大されています。

滑川町 大塚信一町長
「子育てをとりあえずもう全国ナンバーワンの町にしようと」

 町内に新しい駅ができ、その徒歩圏内に住宅が分譲されたことも子育て世代の移住を後押ししました。

 さらに、移住者にとって魅力的な秘策も…。

 親も子どもも同世代と交流できる場所を町が提供したのです。

利用者
「先生方がお話を聞いてくれたり、子育ての悩みとか相談に乗ってくれたりする」

 専門家は、これらの子育て支援が町民の心と身体などを健康な状態にする「ウェルビーイング」を満たしているといいます。

一般社団法人 ココロバランス研究所 島田恭子博士
「子育て世帯のサポートから始まり、その地域住民の社会参加につながって絆が増えた。その結果として、住民や地域全体が幸せになっていくという道筋を考えた時に(滑川町の取り組みは)ウェルビーイングの観点から非常に意味がある」

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。