偽造したマイナンバーカードを示し携帯電話を機種変更したなどとして、愛知県警サイバー犯罪対策課などの合同捜査本部は28日、名古屋市東区の自営業、松尾裕也容疑者(39)を詐欺などの容疑で逮捕したと発表した。「お金がほしかった」と容疑を認めているという。被害者の一人は松田憲幸・大阪府八尾市議(43)で「捕まってほっとした。さらに真相解明を」と求めた。
逮捕容疑は4月30日午後3時ごろ、名古屋市南区の携帯電話販売店で、偽造した他人名義のマイナカードを示し、機種変更を申し込んでスマートフォン1台(販売価格24万6180円)をだまし取ったとしている。県警は被害者の詳細は明らかにしていないが、松田市議は毎日新聞の取材に被害を認めた。
松尾容疑者は、同じ日に同市千種区の携帯電話買い取り店を訪れ、偽造した別人名義のマイナカードを示し、だまし取ったスマホを16万6000円で売却したとして組織犯罪処罰法違反でも逮捕された。
県警によると、松尾容疑者はインターネット上で公開されている住所、氏名、生年月日を悪用し、マイナカードを偽造して第三者になりすました上で、公開されていた電話番号を使って機種変更していた。同様の手口を繰り返していたとみて調べている。
事件は、5月初旬に通信業者から警察にあった通報や、直後に松田市議が自身のSNS(ネット交流サービス)で発信したことから捜査が始まった。松田市議はX(ツイッター)で「私になりすました人物が偽造したマイナカードを提示して機種変更した」と記し、スマホの決済アプリなどで使い込まれたことなども明かしていた。県警はこうした被害も含め、関連を捜査している。【田中理知】
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