新型コロナウイルスワクチン=2022年9月、東京都港区

新型コロナウイルスのワクチン接種後に死亡した人の遺族8人と、後遺症になったとする5人が17日、国がリスクを知らせず接種を促進したのは違法で、後遺症を患った後の対応も不十分だったとして、国に計約9100万円の賠償を求め、東京地裁に提訴した。

東京都内で記者会見した原告の河野明樹子さん(60)=大阪市中央区=は、夫の俊弘さん=当時(55)=を接種2日後に亡くした。「ワクチンを打ったら自己責任というのはおかしい。国は責任を取ってほしい」と涙を浮かべた。

訴状によると、原告らはいずれも国の予防接種健康被害救済制度で救済の対象となった。政府が感染予防効果があると広報して推奨する一方、膨大な副反応報告や死亡例は知らされなかったとし「危険を認識できず、死亡や後遺症の損害を被った」と主張している。

厚生労働省は「現時点で訴状を受け取っておらず、コメントを差し控えたい」としている。

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