東京五輪汚職事件で、贈賄罪に問われた出版大手KADOKAWA前会長の角川歴彦被告(80)は27日、否認したことで身柄拘束が長引く「人質司法」により、肉体的、精神的苦痛を受けたとして、国に2億2千万円の損害賠償を求めて東京地裁に提訴した。記者会見で「拷問を受けたと感じている。人権の問題を自分ごととして共有してほしい」と述べた。
代理人弁護士によれば、人質司法の違法性を問う国賠訴訟は初めて。角川被告は東京都内で開いた記者会見で「こうした訴訟が今まで起こされなかったことが信じられない。これまで人質司法を経験した人と一緒になって、日本を変える力にしたい」と話した。
弁護団は、日本の人質司法が「恣意的拘禁」に当たるとして、国連人権理事会の作業部会に申し立てたことも明らかにした。
訴状によると、被告は2022年9月に逮捕され、23年4月に保釈された。その間、何度も体調不良を訴えたにもかかわらず、拘置所、検察官、裁判官に無視されたため、「死の淵を感じながら拘禁生活を耐え忍ぶしかなかった」としている。(共同)
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