街のパン屋さんがピンチです。倒産が相次ぐなか、救いを求めたのが、「おにぎり」です。
■地元で愛される街のパン屋の「決断」
店の人「ただいまメープルメロンパン焼き上がりました」 この記事の写真は15枚
メープルシロップをかけた焼き立てメロンパンに…
個性豊かな惣菜パンも。東京・板橋区にある「KajiPan!(カジパン)」には、17日も多くの人が訪れていました。
常連客「お姉ちゃんもこの子も離乳食で初めてのパンは『KajiPan!』で、すごく大好き」
1歳の常連さんも…
常連客と1歳の子「おいしい?」「これおいしいっていう意味です」
おいしいポーズ!
常連客「10年くらいたちます。オープン当初から通っています。職場がこの近くで、非常においしいので午後から働く活力になっています」
地元で愛される街のパン屋さんですが…店主の梶谷さんはこの春、ある決断をしました。
KajiPan!店主 梶谷幸輝さん「この先、10年20年続けていけないという判断をして、(オープンして)10年を機に店はやめようかなということで閉店を決めた」
円安などであらゆる原材料費が高騰するなか、定番品は値上げせず耐えてきたといいます。
KajiPan!店主 梶谷幸輝さん「円安の歯止めがかからない、物価高が進んでいる。私だけでなく消費者の皆さんも負担が増す一方、個人店というのは、資金的にもそうだが体力がなさすぎるので、持ちこたえられない。値上げしても」
次のページは
■「街のパン屋」倒産が最多37件■「街のパン屋」倒産が最多37件
昨年度倒産したパン屋は37件と過去最多に。その数は前年度のおよそ2倍です。4分の1ほどは、「物価高」が原因の倒産だといいます。
そんななか、おどろきの“二刀流作戦”に出る老舗パン屋が…
「キングベーク」事業部 前田隆広部長「パン以外の商品でやったらおもしろいんじゃないかと」
取り入れたのは、パン屋にはあるはずがない「おにぎり」。その売れ行きは?北海道の函館で、創業95年の「キングベーク」。
パン屋の客「(Q.けっこうたくさん…何個くらい買った?)もう10個くらいは買ったかな」
北海道産の小麦とバターで焼き上げた100種類以上のパンが人気の店ですが、何やら気になる光景が。
ショーケースの中にあるのは、パンではなさそうですが…こちらのお客さんも覗き込んでいます。いったい何を買ったのでしょうか?
客「お昼に私がたべたいと思って、瞬間的に」 客
「パンを買いに来たんだけど、おにぎりが目に入ったから。おいしそうだし」 客
「きょう(17日)は会社の人に誘われて、おにぎりを買いに来ました」
「(Qおにぎりを買いに?)おにぎりを買いに来ました」
「(Qパン屋に?)そうなんです。おにぎりがあると教えてくれて、ちょっと行ってみようと思ってきました」
パン売り場の片隅にあったのは、なんと、およそ20種類の「おにぎり」コーナー。
■老舗パン屋が“二刀流”おにぎり販売
なぜ、パン屋で「おにぎり」を売っている?店の人に聞きました。
「キングベーク」事業部 前田隆広部長「パン屋だから、おにぎりがダメというのではなく、求められるのであればやります、というスタンスで」
原材料費の高騰やコロナ禍で経営に悩むなか…
到来したのが、全国的な「おにぎりブーム」。去年6月から販売に乗り出しました。
「キングベーク」事業部 前田隆広部長「おにぎりも魅力のある商品なので、うちでもおにぎりというものにチャレンジしよ
うと始めました」
こだわりのお米「ふっくりんこ」で握ったおにぎり。一番人気は「鮭」だそうです。
客「(Q.パン屋でおにぎりを出しているが?)パンとおにぎりが同時に買えるからおもしろいと思う」 この記事の写真を見る(15枚)
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。