24日は、東日本を中心に真夏日が続出し、関東などでは、14地点で35度以上の猛暑日となりました。

栃木県佐野市では、午後2時すぎに、全国の最高気温を更新する36.8度になりました。東京は、朝から急激に気温が上がり、午前10時前に、今年最速で真夏日に。都心では33.4度、練馬では34.7度まで気温が上がりました。

埼玉県熊谷市にある埼玉慈恵病院。40代の女性が搬送されてきました。外出の際、車のエアコンが故障してしまい、そのまま20分ほど走ったところで、頭痛などの症状が出たそうです。当初は、反応が少なかった女性は少しずつですが、呼びかけにうなずき始めます。

埼玉県内では、31人が熱中症の疑いで搬送されています。

埼玉慈恵病院・藤永剛副院長:「6月だが、暑い日もあるし、梅雨に入ったので、じめじめした蒸し暑さだけでも熱中症になりやすい。めまい、立ちくらみ、ふらつき、筋肉が痛むときに涼しいところで体を冷やし、水分をとる。20分間、様子を見て治らなければ、病院に行くことを考えたほうがいい」

東京でも、55人が熱中症の疑いで搬送されました。

南から関東に暖気が流れ込み、関東各地で蒸し暑い1日となりました。

24日は、鹿児島県と沖縄県の一部のほかに、関東では、唯一、茨城県にも『熱中症警戒アラート』が発表されました。午後6時現在で、茨城県内では、11人が熱中症とみられる症状で搬送されています。

暑さは全国的に広がり、真夏日は226地点、35度以上の猛暑日は14地点となりました。

連日の高温は、山形の名産品の生育にも甚大な影響を与えていました。

ふるさと納税の返礼品人気ランキングでは、常にトップクラスのさくらんぼ。河北町にある農園でも、全体の2割を占めますが、今年は、一部で出荷を見送る決断をしました。

松栗・植松真二代表:「天候のせいで、誰のせいでもないんですけど、農家の僕たちとしては、一番、本当は、こういう光景とか見るのが本当につらくて。日に日にダメになっていくさくらんぼを見て、畑の隅でスタッフとかも、みんな目に涙を浮かべて。ちょっと、きつかったですね」

収穫量は、平年の3分の1に減少、約2000万円の損害です。そして、このあと、まだ追いうちをかけるような作業が待っています。

松栗・植松真二代表:「このままにしておくと、木に病気が出るので、全部、下に落とす作業を今から。これが一番の地獄ですね」

周りでは廃業を考える農園も多い一方で、植松さんには続けてほしいという声も多く寄せられています。

松栗・植松真二代表:「1年間、ああすればよかった、こうすればよかったと後悔を背負いながら、来年なんとか良い実が付くようにやり続けていかないと」

心配なのが高齢者の熱中症です。
40人の高齢者が入居するグループホームで取り組んでいたのは、徹底した水分補給です。

スタッフが、各入居者たちのコップに目を配ります。ただ、この重要性が、なかなか理解してもらえないことも。

しゃくじい台翔裕館・田中賢典副施設長:「雰囲気づくりも大事だと思っていますので、隣で一緒にお茶を飲みながら、しゃべりながら(促す)」

入居者:「呼びかけられたら一口でもいいし、半分でもいいから『ちょっと飲んでみようかな』という気にはなるんじゃないですか」


◆熱中症の重症患者の治療にもあたっている帝京大学医学部附属病院高度救命救急センター長・三宅康史医師に聞きました。

三宅医師は、熱中症予防のために『HEAT』を提案しています。

『HealthCare』毎日の健康管理
『Environment』涼しい環境・周囲との交流
『Alert』熱中症警戒アラート
『Treatment』高血圧など持病の管理・治療

このなかでも三宅医師が重視するのは『Alert』。熱中症警戒アラートの基準となっているのが、気温や湿度などから出される『暑さ指数』です。

これはスマートフォンでも見ることができます。例えば、あすの埼玉県熊谷市を見ると、日中は『厳重警戒』となっています。ためらうことなく、エアコンを使用したほうがいいのですが、エアコンの設定温度は低くても、実際の室温は、もっと高いことがあるそうです。こうした場合は、家に温度計を必ず置いて、家族が遠い場合は、電話で「部屋はいま何度」と室温を確認するなど、見守りが大切だといいます。

エアコン設定温度について、三宅医師は「一番暑く感じている人に合わせて」といいます。「夏だけで1000人近い熱中症の死者を減らすため、寒い場合は重ね着などの対応をとってほしい」と、理解を求めています。

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