2025年大阪・関西万博を運営する日本国際博覧会協会は、前売り入場券のコンビニでの販売について、27日の理事会で承認を得る方向で調整している。システムが整えば今秋にも始めたい考えだ。21日、関係者が取材に明らかにした。
前売り入場券は現在、ウェブサイトを中心に電子チケットを販売。しかし、専用IDが必要になるなど手続きが煩雑で、デジタル機器の操作に不慣れな高齢者などから、対面販売や手続きの簡素化を求める声が上がっていた。
協会は開幕500日前となった23年11月30日に前売り入場券の販売を開始。会場建設費は国と大阪府・市、経済界が3分の1ずつ負担するが、運営費は入場券収入で賄われる。協会は会期中の安定運営のため、25年4月の開幕までに1400万枚の販売を目標とし、半分の700万枚を経済界に購入してもらう計画だ。
しかし、19日現在の販売実績は約280万枚で、目標の約2割にとどまるほか、その大半が企業による購入とみられている。協会は一般客の購入を促すため、入手しやすいコンビニでの販売を解禁し、IDの取得も簡素化する方向で検討している。
協会の副会長でもある大阪府の吉村洋文知事は21日、報道陣に「(パビリオンの)具体像が見えていないので一般の売り上げが伸びないのは当然だ」として、「一般の皆さんに買ってもらえる仕組みとして、コンビニ販売や紙チケットの購入ができるよう理事会で提案したい」と述べた。【藤河匠、東久保逸夫】
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