21日朝、鹿児島県では今年初となる「線状降水帯」が発生し、大規模な土砂崩れが起きています。取材班が緊迫の救出現場に遭遇しました。
■鹿児島に今年初「線状降水帯」
今年初の線状降水帯。発生した時間帯の映像です。
21日朝、鹿児島県で線状降水帯が発生しました。午前5時前後の雨雲レーダーでは発達した雨雲が線状に掛かっているのが分かります。その時間帯、鹿児島市内にいた取材班に雨と風が打ち付けます。
夜明け前の公園を横殴りの雨が吹き付けています。
鹿児島市内では、24時間雨量が観測史上1位となったところもあります。一部地域には一時、警戒レベル4にあたる避難指示も出ました。
■土砂崩れ“救出の現場”取材中に
朝になり、被害の状況が明らかになってきました。
鹿児島県薩摩川内市を走る道路。川が増水して泥水でぬかるんだ道ではスリップしたのでしょうか、路肩にスクーターや車が止まっています。止まっていた車の中は泥だらけです。
各地で崩れた土砂が道路をふさぎ、大規模な渋滞も起きています。
取材班がさらに進むと土砂崩れ、そして救出の現場に遭遇します。
鹿児島湾を望む鹿児島市と指宿市を結ぶ国道。土砂崩れが起きていました。山からの土砂が道をふさいでいます。
泥だらけの乗用車は土砂崩れの現場に埋まっていた車で、あちこちが大きくへこんでいます。午前5時半ごろ、土砂崩れに巻き込まれたそうです。
この車に何があったのか、救助にあたった人に話を聞きました。
救助にあたった作業員
「(発生から)5時間後に救出。車内の人は無事だが、結構な衝撃で動転され休憩している。ガードレールがここまできて土砂でガードレールが押され、木がここ(扉)にぶつかっていた」
土砂や大木が流れ込み、ガードレールを突き破って車をのみ込みました。土砂崩れから5時間ほどが過ぎた午前10時ごろ、車内にいた人は無事に救出されたそうです。
救助にあたった作業員
「土砂は運転席の内側に入ってきている感じだったから衝撃はすごかったと思います」
他にも車1台が巻き込まれましたが、けが人はいなかったそうです。
救助にあたった作業員
「(Q.救助された人の様子は?)何時に事故に遭ったか質問しても回答が分からない感じで。救出の時に鍵がなくて『車の鍵ありますか』と聞いても『ない』と捜して動転している感じ」
■斜面崩落 轟音たて土砂が…
指宿市を映したカメラは不気味な轟音(ごうおん)とともに大きく揺れています。指宿市では、観測史上最大となる400ミリを超える雨量を観測しています。
指宿市に着くと崩れていた住宅がありました。道路には水が流れ、土砂が家を飲み込んでいます。
道路はどこも危険な状況です。土砂が流れ出し、斜面が崩れ掛かった道路。乗用車はゆっくりと行き交います。
ただ、大きなトラックはそうはいきません。
トラックの運転手
「通ってバーッと(倒れて)きた時がどうかなと思って。どう見ても(枝が)当たるから」
慎重に車を操り、無事に通過しました。
■河川 一時“氾濫危険水位”超える
河川も危険な状況です。鹿児島県南さつま市を流れる万之瀬川などでは一時、氾濫危険水位を超えました。
鹿児島県東串良町を流れる肝属川も河川敷まで川幅が広がり、危険な状況です。ふさいでいるのが分かります。
今後も土砂崩れなどの災害に警戒が必要です。
▶テレ朝天気
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