[県歯科医師会コラム・歯の長寿学] (349)
日本で最初の新型コロナウイルス感染者が確認されてから、もう4年以上がたちました。外出禁止になったり学校が休校になったり、マスク着用の義務化や黙食、集団活動の停止・制限などもありました。生活スタイルが変化し、社会的ルールが見直されました。
個人的には社会の授業で習った100年前のスペイン風邪の流行が現実として世界で起こっている、という気分でした。
昨年5月にコロナが感染症法上の5類に位置づけられたことで、マスクの着用義務については個人の主体的な選択を尊重することとなり、着用は個人の判断に委ねられました。
最近はスポーツ観戦やイベント、シーミーなど人が集まる機会が増え、以前の日常を取り戻すことができたように思います。
コロナ禍3年間のマスク着用義務化やマスクをする機会が増えたことによって、口を見せなくていい時間が増えました。今年の学校健診で一番感じたのは、歯が黄色く着色している子が増えている、ということです。
マスクをすると鼻呼吸がしにくくなって、口呼吸の回数が増えます。その結果、唾液量が減少したり、口の中が乾燥したりして、歯に付いた歯垢(しこう)が固まりやすくなり、落ちにくい着色の原因となってしまいます。
医療機関などで密を避けるために人数制限や入室制限が設けられ、思うように歯科医院に通院できなかった人や、歯科医院に出向くことを避けていた方も多くいたかもしれません。
飛沫(ひまつ)感染の防止のため、学校給食後の歯ブラシを中止、休止していたことも原因として考えられます。
歯の汚れは口臭や口のトラブルの元です。マスク着用による4年分の歯垢や着色の蓄積は、歯科医院で取ることができます。中学生までは無料です。家庭での食後の歯ブラシはもちろんのこと、保護者の方は仕上げ磨きもよろしくお願いします。(島袋亮 ファミリー歯科クリニック=うるま市)
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