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東京都知事選挙が20日に告示されました。立候補者は史上最多の56人。しかし、用意されたポスターの枠は48人分しかないため、貼れない人が出ました。そこで取られた措置が、クリアファイルを使って貼るという苦肉の策。現場は困惑しています。


■小池氏「東京を世界で一番に」

人口1417万275人。財政規模8兆4530億円。世界有数のメガシティーは誰がかじ取りを担うことになるのでしょうか。

3期目を狙う小池百合子候補(71)。第一声は街頭ではなく選挙事務所で行われ、オンラインで中継もされました。

東京都知事 小池百合子候補
「出発式に皆さんお集まりいただきまして。はいはい、ありがとうございますね。はい元気な声ね」

強調するのは“1番”です。

東京都知事 小池百合子候補
「この東京が世界で一番の都市になるように。また一番の部分をさらに磨いていくように。ご協力・ご支援よろしくお願い申し上げまして、出発のごあいさつとさせていただきます」

小池候補の事務所で取材を続けましたが、支持を決めた自民党や公明党の議員の姿は確認できません。その代わりに様々な団体が入れ替わり立ち代わり訪れ、推薦状を手渡していました。

ちなみに、本人が勤しむのは基本、公務です。

東京都知事 小池百合子候補
「時間がある時に選挙戦を行っていく。こういう仕立てをしていきたいと。二刀流・ハイブリッドで行きたいと」


■蓮舫氏「影に光を当てたい」

一方の蓮舫候補(56)は中野駅前にいました。

前参議院議員 蓮舫候補
(Q.蓮舫さんちょっとこっちむいて)
「必死です」

その頃、昭島市では、共産党の支持者たちがポスター貼りを手伝っていました。立憲民主党の地盤が弱いので、組織を上げて支援体制を構築しているようです。

共産党の支持者
「(Q.どうですかこのポスターは)皆さんの色んなことに応えてくれるやさしさ、そういうのが出ていて良いと思います」

前参議院議員 蓮舫候補
「ようやく今日から戦いが始まりました。立ち止まってくれる方、手を振ってくれる方、こんなにありがたいことはない。17日間走り切って、皆さんの東京のトップになりたいと改めて今強く思っております。小池さんは光にさらに光を当てるのは得意です。でも影に光を当ててこなかった8年だと思うから、私はここに手をつけたい」

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■石丸氏「ネットの力で人の輪」

■石丸氏「ネットの力で人の輪」

前広島県安芸高田市長の石丸伸二候補(41)。第一声では本人よりも先にスタッフや支持者がマイクを握ります。

ドトールコーヒー創業者
「初めて石丸さんに手紙を書きまして。とにかく応援したい、一度会いたいと。毎日のようにYouTubeを聞いていて、時には4時5時になる」

前安芸高田市長 石丸伸二候補
「全員が初めてお会いしたのはこの1カ月という皆さんです。そんなことってあるもんなんですね。ネットの力を通じて、これほどまでに大きな人の輪が広がっています」

ネットを通じて知り合った縁で選挙戦を戦うようです。表参道では多くの人たちからセルフィー(自撮り)をせがまれていました。

前安芸高田市長 石丸伸二候補
「(Q.安芸高田市長選と都知事選の違いは)人が違う。安芸高田で街宣車乗っても人っ子一人いなかった。今日人しかいないです」
「早く急いで手を打つ必要があります。政治を変えないといけないんです」


■田母神氏「トランプより若い」

防衛省前。元航空幕僚長の田母神俊雄候補(75)は古巣の前で訴えかけます。

元航空幕僚長 田母神俊雄候補
「東京都知事選に立候補しました。満75歳。年齢の詐称はしておりません。75歳…バイデン大統領やトランプ大統領よりもずっと若いんです私は」

田母神候補は、2014年の都知事選では60万票を集め4位でした。

元航空幕僚長 田母神俊雄候補
「『どのくらいの票を狙っているんですか』とよく聞かれるんですが、250万票を狙っていますよ。私は一番じゃないとダメなんです。“二番”でいい人も立候補していますけども、私をぜひ一番にしてください。私は多分、他の候補者に比べるとずっとその能力は高いですよ。自衛隊で5万人を動かしてきた実績があるから」

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■ポスター貼れない!で異例の…

■ポスター貼れない!で異例の…


彩豊かな候補者が出そろった東京都知事選。そんななか“ポスター枠”が足りなくなる事象も起きていました。

清瀬市の選挙管理員会。責任者は昼ごはんも食べらられず、ヤキモキしていました。東京都が指定し、各自治体が設置した掲示板の枠は48しかないからです。

清瀬市選挙管理委員会 伊藤淳一事務局長
「(Q.現状、掲示しているが入りきらない)入りきらないですね」

最終的に都知事選への立候補者数は56人に上りました。前回の22人から倍以上の過去最多です。枠に収まらない8人に対して、東京都が決めた対策はというと…。

下村彩里アナウンサー
「選挙ポスターを貼る掲示板に、新たにクリアファイルなどを使って、候補者の方がポスターを貼ります」

少しでも見栄えをよくしようと試行錯誤を繰り返した候補者は…。

候補者
「こっちの方が絶対いいじゃん。(Q.ただ、これだと雨が)全然大丈夫。だってこれ雨強いから。名前もスッキリ見えるし」


■ポスターめぐり“異例”の事態に

東京都の選管は、枠を超えた分は候補者自身で増設するように要請していて、一部の候補者はクリアファイルなどでの対応を迫られました。

史上最多、異例の立候補者数となった今回の都知事選ですが、候補者の半数近くをある政治団体が占めています。その団体は確保した枠を、寄付を条件に支援者が自由に作った“自作ポスターを貼れる”としています。

地方政治や選挙に詳しい、法政大学大学院の白鳥浩教授に聞きました。

(Q.寄付を受けてポスターを貼ることは問題ではないですか)

法政大学大学院 白鳥浩教授
「選挙という“選択の場”で、ポスターは有権者にとって1つの投票基準を提供するもの。今回の行為は事実上の“売買行為”。民主主義を根底から覆す可能性があり、選挙の本質から逸脱している」

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■選管“問題視”の声も…法的には

■選管“問題視”の声も…法的には

東京都内の選管からは、問題視する声もありました。

都内の選管
「公職選挙法で想定していない。準備も含めて都民の税金が使われている。公平性・税金の面から問題」
「全く別の目的で使われている。多くの有権者に投票に参加してもらいたいが、候補者の情報が届かない」

法的にはどうなのでしょうか。公職選挙法を所管する総務省はこう話します。

総務省担当者
「ポスターは、他の候補への応援や虚偽の内容でない限り、内容は自由」

つまり、公職選挙法上は“違法ではない”ということです。

総務省担当者
「掲示板は、あくまでも『選挙運動用にポスターを掲示す場所』と認識している」

法政大学大学院 白鳥浩教授
「そもそも公職選挙法は、現代社会の変化に対応できたものになっていない。法制度を根本的に見直す議論を、早急に始める必要があるのではないか」


■“わいせつポスター”男性候補に警告

警視庁は20日、わいせつなポスターを掲示した迷惑防止条例違反の疑いで、諸派の男性候補に対して警告を出しました。

捜査関係者によりますと、男性候補がわいせつなポスターを複数カ所に貼りだしたことが確認されていて、これまでに苦情が警視庁に相次いで寄せられていました。

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