老々介護の末、妻を殺害した夫に懲役3年、執行猶予付きの判決が言い渡されました。

吉田友貞被告(80)
「一緒になった時は、絶対にそんなことも想像していなかった。ただ悪かったな、ごめんなさい」

 いわゆる“老老介護”の末に起きた殺人事件の裁判。

 被告は、判決を言い渡された後も証言台の前からしばらく動きませんでした。

吉田友貞被告(80)
「節子を楽にした後、私も死のうと思っていました」

 吉田被告は去年、85歳の妻・節子さんの首を両手で絞めるなどして殺害した罪に問われていました。

吉田友貞被告(80)
「(妻の)言動がだんだんと支離滅裂になった。もう2人で死ぬより仕方ないと考えていました」

 認知症の症状があった妻の自宅での介護を一手に担っていた吉田被告。

 事件前には、携帯電話に「限界です」とつづっていました。

 そして20日、裁判所の判断は。

裁判長
「家族のことで他人に負担をかけさせられないとの思いや、自らの見栄などから介助などを背負い、自覚ないまま、疲労や疲弊感を蓄積させていた」「反省を深め、被害者を弔い続けることが適当」

 などとしたうえで、「非常に結果は重い」として、懲役3年、執行猶予5年の判決が言い渡されました。

 裁判を終えた吉田被告が取材に応じました。

吉田友貞被告(80)
「今思うと、7月25日に(医師の往診を)断っちゃったのが本当の分岐点だった」

 妻を医師に診てもらう予定をキャンセルしたこと、周囲に助けを求めなかったことを、今も涙ながらに後悔していました。

吉田友貞被告(80)
「やっぱり、昔から見えっ張りだったんだなって」
「執行猶予がついたんですけども、本当にそれでいいんだろうかという微妙な気持ちです」

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