国の強制隔離政策で、ハンセン病の療養所に収容されて亡くなった患者らの名誉を回復し、追悼する式典が厚生労働省で開かれました。
武見厚労大臣
「長年にわたる差別や偏見による苦痛と苦難を強いることになりましたことに心からおわびを申し上げます」
東京・霞が関の厚生労働省で20日行われた式典には武見厚労大臣のほか、ハンセン病の元患者や遺族らが出席し、「追悼の碑」に献花しました。
患者の強制隔離を定めた「らい予防法」が1996年に廃止された後、厚労省は2009年から6月22日を「被害者の名誉回復および追悼の日」と決めて式典を開いています。
元患者側からは「亡くなった人が本当に安らかにお眠りいただけるような社会を目指したい」と式辞が述べられました。
ハンセン病を巡っては去年12月、厚労省が全国の18歳から99歳を対象にインターネットによるアンケート形式でハンセン病の元患者や家族に対する意識調査を行いました。
その結果、回答のあった2万916人のうち35.4%が「ハンセン病に対する偏見や差別を持っている」と回答しました。
厚労省は「偏見差別は現存し、現在でも深刻な状況にある」と分析していて、武見大臣は式辞で「偏見、差別の解消に向けた取り組みの強化を図っていく」と述べました。
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