札幌地裁=岸川弘明撮影

 6歳から16歳の少年4人に性的暴行をしたとして不同意性交等罪などで起訴された鈴木功被告(27)=札幌市清田区=の公判が20日、札幌地裁で開かれ、被害者ら3人が意見陳述した。検察側は懲役8年を求刑した。

 小学5年時から6年間、鈴木被告に性暴力を振るわれたという少年(17)は、被告や傍聴席から見えないよう仕切りで囲まれた証言台で、「恥ずかしい思いをするのは自分だと脅され続け、誰にも相談できず、永遠に続くかもしれないと思いながら屈辱に耐え続けた」と話した。人間不信になり、夜は眠れず、「これからも俺はずっと苦しんでいかなければならないのだと思う」と、不安が続いていることを訴えた。

 鈴木被告に浴室などで性的暴行を受けたという男子児童(当時8歳)の母親も出廷。男児は今もフラッシュバックで入浴を怖がるといい、「息子は『死にたいと思ったこと、1回や2回じゃないんだ。僕が死んだらママ、悲しい?』と何度も聞く。8歳の子がですよ? 息子の心の傷は治らない」と涙ながらに語った。

 鈴木被告は起訴内容を認めている。被告の弁護人は「同種事案と比べ、ことさら悪質であるとは言えない」として執行猶予付き判決を求めた。判決は7月19日に言い渡される。【後藤佳怜】

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