東京都の小池百合子知事(71)が18日午前、都知事選の公約を発表しました。
小池百合子都知事:「皆さま、おはようございます。本日は、私、小池百合子の東京都知事出馬、政策発表の記者会見に、ご参加いただきまして、誠にありがとうございます。『もっと!よくなる!東京大改革3.0』を掲げ、このたびの東京知事選挙に出馬します。これからも都民のため、都民とともに都政を爆速で進めてまいります」
小池氏が掲げる『東京大改革3.0』。目指す都市像は、3つの“シティ”だそうです。
小池百合子都知事:「あらゆる危機から都民の命と東京を守る“セーフシティ”首都防衛です。もっと安心で活力あふれる街をつくってまいります。“スマートシティ”に該当する分野。都庁のデジタル化、DX化をもっともっと推進していきます。東京の活力の源泉は人。人への投資。希望に応じて、一人残らず、すべての人が輝く“ダイバーシティ”」
“ダイバーシティ”推進の一環として、これまで力を入れてきた子育て政策をさらに拡充し、0.99と過去最低を記録した東京の出生率を改善したい考えです。
小池百合子都知事:「子育て・教育にお金がかからない東京を目指します。出産時の支援としては、無痛分娩費用に対する助成制度を新たに創設してまいります。保育料の無償化は、第1子まで拡大。子育て世代への家賃負担の軽減。新たな東京版大学給付金の制度創設。経済的な負担の軽減策も講じてまいります」
会見は、都庁内で開かれましたが、現場に記者の姿はなく、別室からのオンライン参加でした。
小池百合子都知事:「ご希望の方すべてにご参加いただけるように、オンラインでの公約発表とさせていただいているところ。例えば、企業では、オンラインの決算説明会も増えていますよね」
40分の会見のうち、質疑応答は15分ほど。小池氏が指名した5人の記者の質問に答えて終了です。
小池陣営幹部:「よっぽどフリーランスの記者の質問を受けたくなかったんだろうね。やはり公約とは関係ない質問とか来るし」
その4時間後には、蓮舫氏(56)も政策発表会見を開きました。
蓮舫参院議員:「『あなたと次の東京へ』。都知事になって『7つの約束』を実現していきたいと考えています」
小池氏が1期目に掲げた『7つのゼロ』を意識したとみられる『7つの約束』。その柱は“現役世代の手取りを増やす”です。若者への経済的な支援が、少子化対策になるといいます。
蓮舫参院議員:「結婚を選べない経済環境にある若者が増えています。これは、都が婚活アプリを行うレベルで解決できる問題ではありません。なぜ、8年もの間、最も支援が必要な若者に手を差し伸べて来なかったのか。なぜ、ここに思いが至らなかったのか。私は時間がもったいなかったと思っています。小池さんにとってみたら『何で今、子育て支援じゃなくて若者支援』と思われるかもしれません。私は、少子化対策を長い目で見たい。最も親として切ないのは、育った子どもたちが巣立つときに、不安定雇用から抜け出せない社会。私は自助だと言って切り捨ててはいけないと」
もう一つの柱は“本物の行財政改革”。民主党政権での事業仕分けを思い起こさせる政策です。
蓮舫参院議員:「私の専門分野です。これは任せてください。小池都知事が行革を行って8年間で8100億円、確保したと胸を張る。でも、これを調べると、驚くことに確保した財源の積算根拠が全く見えません。まさにブラックボックス化です。私は、ここを開きます。日本は、失われた30年の間、何が要因だったのか。一つは、若者に十分なチャレンジを与えてこなかった。もう一つは、重要な決定事が密室で決められてきた。この2つにある」
小池氏とは対照的に、蓮舫氏の会見には、80人の記者が集まりました。会見時間は約60分。半分以上が質疑応答にあてられ、19人の記者が、直接、質問に立ちました。なかには厳しい質問もありました。
蓮舫参院議員:「(Q.数値目標がないと4年後には検証できないのでは)私は、今回、チャレンジャーという立場で臨ませていただきますので、具体的な試算のバックデータも持っていません。約束しての方向性は明確に示させていただきますが、具体的な額というのは、申し訳ない、ご容赦いただきたい」
18日は、自衛隊の元航空幕僚長・田母神俊雄氏(75)も公約を発表しました。『災害に強い東京』『自信と誇りを持たせる教育』など、5つの政策を柱にするとしています。
田母神俊雄氏:「争点は、東京都民の暮らしをいかに良くできるか。世界から、いっぱい人も来るし、尊敬もされるし、世界が『さすが日本の首都』と認める東京を目指したい」
広島県安芸高田市長だった石丸伸二氏(41)は、都内で街頭演説を行いました。
都知事選には、これまでに諸派や無所属で50人以上が出馬を表明しています。6月20日告示、7月7日投開票の日程で行われます。
◆小池都知事、蓮舫氏、それぞれの公約をみていきます。
公約の表紙です。
小池都知事は、3期目を目指すということで『東京大改革3.0』、蓮舫氏は、挑戦者らしく『あなたと次の東京へ』と銘打ち、『7つの約束』をうたっています。
2人が、一番、最初に掲げた政策です。
小池都知事の公約の最初に書かれているのは『首都防衛』、“セーフシティ”として、木造住宅密集地域の解消促進、“シェルター整備”でミサイルの危機から都民を守る、富士山噴火を想定した降ってくる灰への対策など、防災関連に力を入れるとしています。
蓮舫氏の公約の最初に書かれているのは『現役世代の手取りを増やす』。これが本物の少子化対策だとしていて、7つある公約の中でも軸の1つです。そのために、非正規格差の解消や、非正規の都職員の処遇改善。ほかにも、子どもが多くいる世帯への家賃補助制度の創設など公約に掲げています。
去年の東京の出生率は1を切り、全国で最も低くなりました。
喫緊の課題に小池都知事の子育て・教育関連の公約として、無痛分娩費用を新たに助成、保育の無償化を第1子まで拡大、子育て世帯への家賃負担軽減、東京都版大学給付型奨学金制度創設などを挙げています。
蓮舫氏が『現役世代の手取りを増やす』ことと同じく、公約の軸とするのが“行財政改革”。東京都が行う事業評価を全事業に対して行うとしています。『東京版・行政事業レビューシート』の導入、東京都の公金や補助金の支払い先は原則公開など、ガラス張りの都政を実現するとしています。
喫緊の社会問題はまだあります。
東京都は、約4人に1人が65歳以上で、高齢化率は過去最高です。その高齢化に向けた公約について、小池都知事は、在宅医療介護支援強化などを掲げています。一方、蓮舫氏は、認知症対策を強化し、介護のために離職しない社会にすることなどを掲げています。
そのほかの独自の公約です。
小池都知事は、都独自の認知症専門病院を創設するなどとしています。蓮舫氏は、政治資金パーティー開催せず、神宮外苑の再開発の見直しなどを挙げています。
ほかの候補者では、17日に公約を発表した石丸伸二氏は、『政治再建』を基本とした“3つの柱”、元航空幕僚長の田母神俊雄氏は、災害に強い街づくりや、都民税減税などを打ち出しています。
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