名古屋市教育委員会は14日、運動部に所属する市立滝ノ水中(同市緑区)2年の男子生徒が、5月にあった他校との練習試合で頭部を強打し、急性硬膜外血腫の緊急手術を受けたと発表した。当時、顧問の男性教諭は市の規定に反し、事態把握後も119番通報していなかった。市教委は「不適切な対応だった。猛省している」と陳謝した。
市教委によると、練習試合は5月25日にあり、午前9時過ぎ、男子生徒の前頭部に対戦中学の生徒の膝が当たった。男子生徒はその後も試合に出ていたが、休憩中に気分が悪くなったため午前10時ごろ、試合を観戦していた別の生徒の保護者が自発的に男子生徒の保護者に連絡。駆けつけた保護者が近隣病院に搬送。専門医がいる別の病院に救急搬送され、緊急手術を受けた。
男子生徒は12日間入院し、現在は退院して登校しているという。手術した病院によると、措置が遅れていれば命に関わる負傷だったという。
市では2022年7月に市立小の児童が校内で顔面を強打する事案が発生。その際、学校側が119番通報しなかったことが問題となり、23年3月に「学校保健の手引」を修正。顔面や頭部を強打した場合、救急車を呼ぶことになっていた。男性顧問は救急車を呼ばなかった理由について「生徒の呼吸・意識に問題はなく、受け答えができていたため」と説明したという。【川瀬慎一朗】
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