反対署名を提出する「市の将来を考える会」の江藤さん(中央)ら=福岡県大川市役所3階会議室で2024年6月13日、降旗英峰撮影

 福岡県大川市が同市大野島に2027年度の開業を予定する観光拠点施設「大川の駅」(4・3ヘクタール)に関し、市民団体「市の将来を考える会」は13日、計画に反対する5900人の署名を市に提出した。財政不安を訴えている。

 「大川の駅」には有明海沿岸自治体の海、山、川の幸を売り出す「道の駅」「川の駅」を併設し、市の基幹産業である家具も売り出して福岡、北九州両都市圏に匹敵する経済圏域作りを目指す計画だ。3月議会の市の説明では、開業後15年の維持運営費や関連工事を含めると総事業費は88億円にのぼる。

 これに対し「考える会」は2月から「2期工事も含めれば100億円を超えるのではないか。過大だ」として反対署名を集め、この日、市役所を訪ねて提出した。市は「大川の駅整備振興課」職員が預かった。

 「考える会」中心メンバーの市内の会社役員、江藤義行さん(76)は「人口減少が進む中、水道管更新、し尿やごみ処理とコンパクトにまとめねばいけない。10億円でも過大と思う。筑後川の三角州である大野島への立地は高潮被害も心配だ」と主張する。

 一方、倉重良一市長は同日の記者会見で「少子高齢化が進み、この規模の投資をしなければ街の元気が失われていく。事業費が100億円を超えることはなく、市民サービスに影響が出るレベルとは思っていない」と予定通り計画を進める考えを語った。高潮や津波対策として予定地に盛り土もする。

 大野島は筑後川河口の砂州で、北側は大川市、南側は佐賀市。【降旗英峰】

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