イメージ写真=ゲッティ

 若手・中堅社員の3人に2人はパワーハラスメント(パワハラ)の被害を受けた経験があり、半数が泣き寝入りしている――。人材紹介サービスのワークポート(東京都)による調査で、依然としてパワハラ被害が後を絶たない実態が浮かび上がった。

 3月13~21日に、ワークポートのサービスに登録する20~40代の男女を対象に、インターネットによるアンケート調査を実施し、661人から回答を得た。

 パワハラ被害を受けたことがあると答えた人は65・5%にのぼり、2022年調査の66・6%、23年の65・2%と同水準だった。

 被害例は「暴言・侮辱」が78・5%で最多だった。「能力の過小評価・成果を認めない」が44・3%、「過剰・過酷な業務の強制」が37・2%と続いた。「性的・身体的な差別、嫌がらせ」(9・9%)、「暴行・傷害」(4・8%)もあった。

 一方、パワハラへの対処法は「誰にも相談せず我慢」が46・4%で最多となった。上司や同僚、相談窓口など社内に助けを求めても「解決しなかった」が59・1%と、「解決した」の12%を大きく上回った。勤務先がパワハラ防止に取り組んでいないという回答は55・7%で、昨年調査より上昇した。

 パワハラを巡っては、防止法が20年に大企業を対象に施行され、22年には中小企業にも拡大し、防止措置が義務化された。ワークポートの担当者は「対策を講じていても機能していないケースがほとんど。形骸化させないためにも、外部機関の介入など被害者が守られるような対応が必要だ」と指摘した。【古川宗】

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