4月の衆院東京15区補欠選挙を巡る政治団体「つばさの党」の公職選挙法違反事件で、同党代表の黒川敦彦容疑者(45)=埼玉県朝霞市=らが、立憲民主党陣営の演説を妨害した当日に、選挙カーの追尾も計3回していたことが捜査関係者への取材で判明した。
警視庁捜査2課は優勢が伝えられていた立憲陣営を狙い、執拗(しつよう)に妨害していたとみている。
黒川容疑者と、補選に立候補して落選したつばさの党幹事長の根本良輔容疑者(29)=東京都練馬区=は、東京15区補選の中盤を迎えていた4月23日午後6時過ぎ、立憲から出馬して当選した酒井菜摘氏(37)陣営の演説を妨害したとして、7日に公選法違反容疑(自由妨害)で再逮捕された。
捜査関係者によると、黒川、根本両容疑者らは4月23日には、午前に1回と午後に2回、「カーチェイス」と称して、酒井氏陣営の選挙カーの追尾もしていた。いずれも選挙カーが警察署に逃げ込む事態となっており、交通の便を妨げていた疑いがあるという。
つばさの党の選挙妨害を巡っては、党幹部の杉田勇人容疑者(39)=東京都練馬区=も公選法違反容疑で再逮捕されている。警視庁は、他陣営への演説妨害を少なくとも5回、カーチェイスを少なくとも10回確認。カーチェイスのうち、半分ほどは立憲陣営が対象だった。警視庁はこれらの行為についても、自由妨害容疑での立件を視野に捜査している。【遠藤龍、森田采花】
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