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埼玉県で4日、小学生の列に車が突っ込み、小学1年生の女の子が意識不明となっています。車を運転していた84歳の男性は、家族から“免許を返納してほしい”と言われていたといいます。どうすれば、このような事故をなくすことができるのでしょうか。

■家族「免許返納して」

車を運転していた84歳の男性は「現場の先にある信号が青で、それと見間違えた」という主旨の話をしています。

事故当時、横断歩道を7人の児童が渡っていました。現場にブレーキ痕は残されていません。被害者の小学1年生の女の子は今も意識不明の重体のままです。

84歳の男性は、子どもにとって危険な道路の拡張を訴えるなど、交通安全意識の高い人物でした。

男性の知人
「自治会を長年やって、この辺の面倒見て。そこの踏切も狭いでしょ?そういうところも気にかけて動いたんだけど。健康状態は別に悪くないから。今まで事故起こしたことないんだから」

ただ、男性の年齢は84歳。今年3月に免許証を更新したばかりでしたが、家族からは「免許証を返納してほしい」と言われていたといいます。

男性の知人
「(Q.もう返納するようにっていう話は)それは自分でも言ってたよね。(Q.免許は返納できないような状況だったんですか)別に乗らなくても(免許を)とっておいて荷物になるものでもないから」

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■自主返納者数 ペースに“陰り”

■自主返納者数 ペースに“陰り”

免許証の自主返納制度が導入されたのは1998年のことです。池袋の暴走事故の時には返納する人が60万人に達し、それなりに定着してきました。

鮫洲運転免許試験場には6日も免許返納に訪れた人がいました。

免許返納に来た人(83)
「もう10年くらい乗っていない」

「持っていてもしょうがないし、早めに返してしまいましょうと。すっきりするじゃない」

しかし、ここ4年で見ると自主返納は毎年減っています。去年はピーク時の3分の2程度になっています。

そんななか、高齢ドライバーの事故は毎日のように起きています。奈良県では7日、65歳の女性が運転する車が駐車場のフェンスを突き破り、その先の建物のシャッターに突っ込む事故がありました。

高齢者が免許証を更新する場合、一般とは違う過程を踏まなければなりません。70歳以上は座学と実車の高齢者講習。75歳以上のドライバーは認知機能検査などです。

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■講習で“逆走”“踏み間違え”

■講習で“逆走”“踏み間違え”

川崎市にある『高齢運転者講習センター』。免許の更新や突然の運転の前に高齢ドライバーが講習を受けに来る施設です。

指導員
「ここ右で行きましょう。違います」
運転歴48年
「曲がるんですか。ごめんなさい。こっちかと」
指導員
「これ逆走です」
運転歴48年
「いけない。やだ。これ減点ですか」
指導員
「今のは失格ですから終わりですよ」

指導員
「止まる時、ゆっくり行ってもらっていいですか。自分でベストはどこだと思いますか」
運転歴48年
「この辺かな」
指導員
「一回降りましょうか。これくらいあります」
「すいぶんありますね」

日ごろから運転していても、問題点は出てくるようです。運転歴70年だとどうでしょうか。

指導員
「一時停止を左にお願いします。ゆっくりお願いします。100点ですね」
指導員
「ここ右折なのでウィンカー右出して。右です。ゆっくり」
運転歴70年
「お、なんだ」
指導員
「アクセルはゆっくりでいいから。慌てないでいいのでゆっくりです。最初慣れるまでは」

受講者(88)
「(免許を)返せ返せと女房に言われている。年だからもう免許は返せと。車もいらないと言われている。(Q.更新する理由は)まだ大丈夫だろうなと自分で思ってるから」

国は自主返納についてどのように考えているのでしょうか。

警察庁交通局
「それなりに高齢者の自主返納への関心は残っていると考えています。他の交通手段がある都心はともかく、地方では車が必要な状況は変わっていない。返納者の代わりの足となる手段の支援策を講じると共に、周知を図っていきたいと思っています」

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■免許返納は減少…6割以上「不便」

■免許返納は減少…6割以上「不便」

75歳以上の運転による事故件数は、コロナ禍で外出が減ったのか、2020年にはいったん下がっていますが、近年は増加傾向で、去年は3万330件でした。

その一方で、75歳以上の免許の自主返納件数を見ると、多い時の2019年は約35万件ですが、去年は約26万件。事故件数は増加しているのに対して、返納件数は年々減ってきています。

内閣府が行った、免許を自主返納した高齢者の調査があります。調査は、都市部や過疎地など地域別に行われました。『自主返納して良かった』と感じている人は以下のようになりました。

都市部:87.5%
地方都市:79.4%
過疎地:67.4%
その他:80.4%

理由としては「自動車の維持費用が掛からなくなった」「家族等にかける心配を軽減することができた」などが挙げられています。

一方で『自主返納等により不便を感じているか』という質問もあります。

都市部:25.0%
地方都市:37.5%
過疎地:60.5%
その他:40.7%

公共交通機関が充実している都市部に比べて、過疎地では60.5%とかなりの人が不便さを感じています。

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■返納後の負担額 過疎地で増加

■返納後の負担額 過疎地で増加

国は免許返納後、公共交通機関の利用を推奨していますが、内閣府の、自家用車を使用した場合と公共交通機関を使用した場合、どちらが“経済的な負担が多いか”という調査を見ていきます。この調査は、近所への買い物が主な理由として移動する場合を想定しています。

都市部
バス利用:約24万円減少
鉄道利用:約26万円減少

過疎地
バス利用:約101万円増加
鉄道利用:約95万円増加
タクシー利用:約89万円増加

車を利用した時と比べて、都市部では、公共交通機関を利用すると20万円以上、負担額は減ります。対して過疎地では“どの公共交通機関”を利用しても経済的な負担はかなり大きくなります。バスの場合は、100万円以上も負担が増えることになります。

地方自治体は自主返納者に対して、タクシーチケットの配布や協賛店での割引などを支援していますが、多くが100万円に届いていません。積極的な対策が必要かもしれません。

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