江戸時代の金の採掘地で、山が割れたような姿の「道遊の割戸」(手前)と、旧佐渡鉱山の遺構=新潟県佐渡市で2024年5月26日、本社ヘリから手塚耕一郎撮影

 林芳正官房長官は7日の記者会見で、政府が世界文化遺産に推薦している「佐渡島(さど)の金山」(新潟県佐渡市)について国連教育科学文化機関(ユネスコ)の諮問機関が追加対応を求める「情報照会」と勧告したことに「世界遺産登録を考慮するに値する価値があると認められた」と述べた。

 ユネスコの諮問機関「国際記念物遺跡会議」(イコモス)は6日、佐渡島の金山の普遍的価値を認定したものの、構成資産から一部地区を除外することを求めた。林氏は「勧告を真摯(しんし)に受け止める」とした上で、今年中の登録に向け「地元自治体と連携しつつ、登録実現に何が最も効果的かの観点から総合的に検討を行う」と述べた。

「佐渡島の金山」を巡る経過

 また、ユネスコは追加的勧告として、金山の「全ての時期を通じた全体の歴史を現場レベルで包括的に扱う説明・展示戦略を策定し、施設・設備等を整える」ことも求めた。朝鮮半島出身者の強制労働があったとして登録に反発してきた韓国への配慮とみられる。林氏は「韓国と誠実に議論を行ってきているところだ」と強調。「引き続き、不断に丁寧な議論を行っていく考えだ」と語った。

 盛山正仁文部科学相は7日の記者会見で「まだ宿題があるということだ。7月の世界遺産委員会での登録を目指して努力する」と述べた。【鈴木悟、西本紗保美】

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