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 今の時期、各地で人を襲うカラスが急増している。走っている子どもにカラスが背後から襲いかかる瞬間の映像が捉えられた。

■穏やかなランチタイム…カラス一斉襲撃!

海の公園 この記事の写真

 太陽が燦燦(さんさん)と降り注ぐ横浜市内の海の公園。この週末、家族連れでにぎわう海辺で、カラスによる被害が相次いだ。

地上占拠

 シートで払われた直後、一斉に襲撃開始。瞬く間に15羽ほどのカラスが地上を占拠した。

カラスに襲われた男性
「音もなく、気づいたら目の前で弁当を狙われていました。お弁当食べていて、(カラスの体が)かすったんです。食べ物は奪われなかったんですけど、羽かな?かすったので、もう食べられないと思って」

 突如襲われた、穏やかなランチタイム…。

カラスに襲われた男性
「怖いですよね、黒いし。きょうは晴れたので、日光浴と思ったんですけど、見事にぶち壊されましたね」

“迷惑カラス”

 勝手気ままな迷惑カラスは他にも。獲物を見つけたのだろうか。カラスたちが大集結。さらにカメラが近付いて行っても、まったく動じず。


「おせんべいとか持って行っちゃったみたいです。大人たちがいなくなったら(カラスが)来たので。走ってきたら散乱していました。お菓子が」 エサを物色

 こちらのカラスは、リュックに乗っかり、エサを物色中。慣れた様子でポリ袋を引っ張り出したあげく、ついには上着まで外に出してしまった。  

海の公園管理スタッフ 遠藤聖和さん
「カラスが集まってきているので。食べ物とか大丈夫ですか?」

 公園側は、カラス対策を取るよう来場者に呼び掛けている。

遠藤さん
「(カラスは)人に慣れていると思います。食べ物が手に入るってことを学習して。あとは攻撃されないと分かっているからじゃないですかね」

 園内には、こんな物も…。

遠藤さん
「あそこの部分見えますか?あれがカラスの巣です」

 巣は、高い木の上に作られていた。

遠藤さん
「(巣は)3月・4月に作られることが多いですね。(巣は)定期的に撤去しています」 「(Q.それでも、カラスは?)すぐ(巣を)作っちゃいますね。(公園は)繁殖地になっていますね」

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■「カラスの襲撃に注意」子どもが車道に!

■「カラスの襲撃に注意」子どもが車道に!

子どもが車道に飛び出す

 先月19日、千葉県船橋市で撮影されたドライブレコーダーの映像には、住宅街を走る車が捉えられていた。

 すると突然、いきなり車道に飛び出してきた子ども。間一髪、車は急ブレーキを踏み、事故には至らなかった。

 改めて見てみると、車道に飛び出す瞬間、子どもの頭上には黒い物体が…。それは、翼を広げた黒いカラス。

 カラスから逃げるように走る子ども。次の瞬間、子ども目掛けて一直線にカラスが飛んで行く。歩道に倒れこんだ子どもは、カラスに体当たりされたようにも見える。

車を運転していたYAZIMA☆さん
「歩道で子どもがカラスに追われているのが見えたんですね。向こうから走ってきていて逃げているんで、こっちに出てくるかなって」 「カラスの襲撃に注意!」

 現場に向かってみると、現場近くの鉄塔にはカラスの姿があった。さらに、マンションには「カラスの襲撃に注意!」と書かれた貼り紙が貼られていた。

近くに住む親子
「先月ぐらいだったかな、なんかカラス今年多いよねって話したよね」
「1週間に1回は(カラスに)ゴミ捨て場が荒らされている」

 取材を進めると、「去年カラスに襲われた」という人に話を聞くことができた。

去年カラスに襲われた女性
「(カラスの)赤ちゃんが下に落っこちたのをずっと見ていたんですよ」

 女性は去年、カラスのヒナが巣から落ちる場面に遭遇。数日後、カラスに襲われたという。

去年カラスに襲われた女性
「自転車に乗って(カラスに)追いかけられたんですよ。怖いですよ、何もしていないのに」

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■普通に道を通るだけで…カラスの標的に

■普通に道を通るだけで…カラスの標的に

札幌市の繁華街

 この時期に、カラスが人を攻撃する例はこれまでもあった。

 札幌市の繁華街で撮影された映像では、コンビニの前を歩く男性に2羽のカラスがいきなり襲いかかる様子が映っている。

逃げるも…

 横断歩道を渡ろうとする別の男性は必死に逃げようとするが、2羽のカラスが執拗(しつよう)に追いかける。

後ろから…

 女性に対しても、頭めがけて後ろから攻撃。自転車で通りかかった男性は、背後から襲われる。カラスの攻撃で頭に傷を負った人もいた。

 街路樹の並ぶ歩道を歩いていた男性も、2羽のカラスに背後から攻撃を受けている。左右にふらつきながら走って逃げようとするが、カラスは攻撃をやめない。

「ヒナを守るため」

 襲われた人たちはみな、普通に道を歩いていただけ。なぜ、カラスに襲われたのだろうか?

鳥類学者 東京大学名誉教授 樋口広芳氏
「この時期、カラスの繁殖時期なんですね。特に子育ての時期で、親鳥は子どもを安全に育てようとして神経質になるんですね。攻撃的になるのは“ヒナを守るため”の一言なんですよ」

 一年のうち、この時期はカラスにとって子育ての時期で、親ガラスは巣に近付くものを外敵とみなし、ヒナを守るため攻撃的になるという。

ヒナが…

 市街地の街路樹につくられたカラスの巣。つがいであろうか、2羽のカラスが生まれたばかりのヒナにせっせとエサを与えている様子が分かる。

 コンビニの前で執拗に人を攻撃していた2羽のカラス。実は、まだ飛べないヒナが巣から建物の隙間に落ち、そのヒナを守ろうとしていたのだ。

樋口広芳氏
「地上や植え込みなどにヒナが落ちていてというか、人が『あっ、かわいい』とかですね、『かわいそう』とかなどと言ってそのヒナに触ったりすると、親鳥はパニックになっちゃってですね、100%攻撃してきます」

 人との生活圏が近い市街地に巣をつくるカラスには、この時期特に注意する必要があるという。

(「羽鳥慎一 モーニングショー」2024年6月3日放送分より)

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