沖縄を代表する版画家・名嘉睦稔さんの作品を展示する「ボクネン美術館」が2日、閉館した。最後の企画展「ありがとう」が同日まで開かれ、多くの来場者が訪れ、花をテーマにした47作品を鑑賞した。

 2回目の来場という南風原高校2年の仲本真菜さん(16)は、横幅10メートルを超える大作「節気慈風(せっきじふう)」をじっくりと鑑賞。「沖縄の植物と季節が1枚に凝縮されており、沖縄を感じさせる作品だと思う」と話した。

 約40年前に名嘉さんの線描画「みやらびシリーズ」と出合い、ファンになった金城美佐子さん(86)=那覇市=は「独自性のあるタッチで女性を多く描いてきた。神秘性を感じさせる作風が魅力的」と述べた。

 名嘉さんは来場者に「閉館を決意したのは忸怩(じくじ)たる思いがある。多くの方々の支援に深くお礼申し上げる」とのメッセージを伝えた。(社会部・知念豊)

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