全国各地の街中で野生動物が出没しています。そうした、都市環境に適応した野生動物、いわゆる“アーバンアニマル”に困惑する現場を取材しました。
■夕刻の“叫び声”に住民に困惑
メ〜テレ 小松崎花菜アナウンサー
「千葉県いすみ市です。この街では“ある害獣”が年々増え続け、街の皆さんを困らせていると言います」
その動物が、本来は台湾などに生息し、特定外来生物に指定されているキョンです。20年以上前に千葉県勝浦市にあった観光施設から脱走し、この地に定着してしまいました。
メ〜テレ 小松崎花菜アナウンサー
「こちらのご自宅はキョン対策でしょうか、家の周りをグルっと緑のネットで囲っていますね。特に家庭菜園の場所はネットの高さを2倍くらいにして対応しているようです」
キョンの被害に遭った住民
「入ってこないように、ネットを張ったんですけど、飛びこえるし、破くし、結局どうにもならないので諦めた。最初のころは人間を見ると逃げていったんですよ。最近は逃げない。人間を見ても。慣れちゃって…」
本来「夜行性」と言われるキョンですが、日中、街を歩いていると…。
メ〜テレ 小松崎花菜アナウンサー
「住宅街のすぐ近くなんですが、見えますかね、キョンがいます!少し小さめのキョンですが、木陰で何か食べているんでしょうか。あ、こっち見たかな…こっち見ていますね!全く気にする様子もないですね」
さらに住人達を悩ませているのが…。
いすみ市の住人
「もう何の声か全然わからなくて、怖かったですよね」
「(Q.「見た目」と「鳴き声」は?) 全然一致しないですね。ギャーギャーギャーギャーこんな感じですね」
そのかわいらしい見た目とは裏腹に、“人の叫び声のような声”で鳴くのだと言います。
いすみ市の住人
「(日が暮れると)大体30分くらいずっと鳴いてますから、もう怖くて怖くて…」
■動物も“住みやすい” 閑静な住宅街に…
一方、東京・世田谷区の住宅街では…。
取材ディレクター 久保木健二
「世田谷の閑静な住宅街にきています。この一角だけ空き家が点在していて、木が生い茂っており異様な光景です。この辺りで動物の目撃情報が相次いでいます」
街の人
「(Q.ここら辺で動物みたことあります?)ハクビシン!何度か見たことがあるけど」
「(Q.サイズはどれくらい?)(手を広げて)これくらい」
「(Q.えっそんなに!)スーっと出てきたら、わぁ!って驚きましたよ。“アニマルハウス”って言ってます。アニマルがいるってこと。世田谷区に何とかしてほしいですよね」
通称“アニマルハウス”と呼ばれる世田谷の空き家群。30年ほど前から徐々に空き家化していき、今では、タヌキやハクビシンの住処になっています。その原因について専門家は…。
生物行動進化研究センター パンク町田理事長
「世田谷のタヌキたちは、多摩川沿いに移動してきたのではないかと思います。民家近くであっても、落ち着いて寝泊まりするところがあって餌(えさ)を探すより、人間の出した残飯を探す方が簡単。子どもを育てる環境があるのであれば、(空き家は)彼らにとっては住みやすい環境なんだと思います」
また、シカやイノシシが街に出没する原因については、別の理由があると言います。
生物行動進化研究センター パンク町田理事長
「基本的イノシシに関しては数が増えているというのも要因にあります。ただ餌が欲しいから街に降りてきてるというわけじゃないと思います。天敵がいないためですね。人間が捕獲することをやめてしまえば、数が増え続けると思います。彼らは知能のある動物、学習能力のある動物ですから、安全だということが理解できれば、(市街地を)そんなには怖がらなくはなります。」
(サンデーLIVE!! 6月2日OA)
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