相模原市が11月20日に市制施行70周年を迎えるにあたり、市立公文書館(緑区久保沢1)は企画展「市制施行70周年 飛躍する相模原市」を開いている。残された公文書や行政資料などから、同市の誕生に至るまでの経過を踏まえつつ、70年間を振り返る展示だ。
1937(昭和12)年に陸軍士官学校が移転したのを皮切りに、陸軍計8施設が相模原エリアに移転。このため町村合併の議論が進んだ。曲折を経て41年に8町村が合併して相模原町が発足。地元側は同時に市制施行を希望したが、時期尚早として見送られたという。戦後、座間町の分離(48年)を経た上で、54年に市制施行となった。
同展では、「市制祝賀式関係書類」から、内山岩太郎知事(当時)の「祝辞」を公開。朗読する内山知事の写真パネルとともに並べられている。
また、手で振るための市旗も展示。紙製で祝賀式用のものだが、傷んではいない。専門員の井上泰さんは「式の当日は雨だったので、この旗自体は実際には使用されなかった。そのため現存したのではないか」とみている。加えて、毎日新聞社の本田親男社長(当時)が清水睦市長(同)に宛てた祝賀の「メッセージ」も展示した。軽飛行機から投下したという。
75年に発行した「相模原市財政白書 人口急増問題特集」。サブタイトルは「こども急増びんぼうはくしょ」という過激な表現で、学校建設などで市財政が切迫した事情がうかがえる。このほか、工場誘致や基地の返還などについての公文書も集めた。
同展は12月20日まで、入館無料。土休日が休館だが、展示解説を実施する土曜は開館する。7月からと10月からの計2回、展示替えがある。問い合わせは公文書館(042・783・8053)。【佐藤浩】
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