能登半島地震の被災地で行政が建物の解体費用を負担する「公費解体」について、環境省などは「すべての権利者の同意がなくとも解体できる」との事務連絡をしました。
環境省によりますと、石川県で公費解体の対象になる建物は2万2000軒を超えると推計されていて、26日までに346軒の解体が完了しました。
解体については環境省が「着実に進んでいる」とする一方で、課題として建物の権利を持つ人が死亡したり、遠くに避難したりして行政への申請が滞っていることなどが指摘されてきました。
環境省と法務省は28日、倒れたり、焼けたりして住めないなどと判断される建物は「建物の権利を持つ人すべての同意がなくても、市町村の判断により、災害ごみとして公費解体や撤去をして差し支えない」などとする事務連絡をしました。
事務連絡は被災した石川、富山、福井、新潟の4県にされ、今後は各地の法務局の権限で建物の「滅失登記」を行い、解体を進めやすくするということです。
公費解体に関して環境省がこうした特例的措置を取るのは初めてです。
公費解体の申請は、これまで権利を持つ人全員の同意などが必要でしたが、手続きの遅れにつながっていました。
伊藤環境大臣は28日の会見で「公費解体の円滑で迅速な実施に向け、引き続き取り組んでいく」と述ベています。
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