大阪公立大学から約160人分の致死量にあたる「青酸カリ」などが紛失した事件で、警察は窃盗容疑で30歳の男を逮捕しました。男は「父を殺害するために盗んだ」と容疑を認めています。

 窃盗の疑いで逮捕されたのは大阪公立大学の大学院を今年3月に卒業し、現在は製薬会社に勤めている竹林尚志容疑者です。

 竹林容疑者は去年8月上旬、大阪公立大学大学院の「生体機能工学研究室」で青酸ソーダ(シアン化ナトリウム)を盗んだ疑いが持たれています。

 竹林容疑者は警察の調べに対して「父を殺害するために大学の研究室から青酸ソーダを盗んだことに間違いありません」と容疑を認めているということです。

 薬品が実際に使用された形跡はなく、父親は無事でした。

 薬品の保管庫の鍵は登録された学生や教員しか使用できませんが、竹林容疑者は事件当時は在学中で、自由に利用することができたとみられます。

 研究室からは青酸カリと青酸ソーダ合わせて50グラムがなくなっていましたが、竹林容疑者は「スプーン2杯分のシアン化ナトリウムを家に持ち帰り、残りは研究室で捨てた」とも話しているということで、警察が事件の詳しい経緯を調べています。

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