写真はイメージ=ゲッティ

 自転車の悪質な交通違反に「青切符」を交付し、反則金を納付させることを新たに規定する改正道路交通法が17日、参院本会議で可決、成立した。公布から2年以内の2026年までに施行される。自転車の違反取り締まりの大きな転換点となる。

 車の違反には、警察官に青切符を切られ、反則金を納めれば刑事罰を科されない仕組みがあるが、自転車は対象外だった。そこに自転車も加える。

 自転車で反則金となる取り締まりの対象は16歳以上で、運転免許証の有無は関係ない。反則金は原付きバイクと同程度の5000~1万2000円の見込みで、今後決まる。

 反則金の対象は113種類だが、ウインカーを出さない、クラクションを鳴らさないなど自転車に当てはまらないものは除き、信号無視や指定された場所で一時停止をしないなど事故の原因になりやすい9種類程度になる見通し。警察官の指導や警告に従わずに違反を続けた場合や、危険な走行が対象となる。

 時間帯や場所は限定し、通勤や通学、事故が増える夕方の時間帯を中心にし、駅周辺や通学路など自転車利用者が多い地区や路線で取り締まる。

 さらに、車が自転車の右側を通行する際、十分な間隔がない場合は安全な速度で走り、自転車はできるだけ左に寄るように義務付ける。

 酒酔い運転や妨害運転(あおり運転)などは、これまで通りに刑事罰を科す赤切符で取り締まる。自転車の酒気帯び運転にも罰則を新たに設け、車と同じ3年以下の懲役または50万円以下の罰金とする。自転車の運転中にスマートフォンを使用する「ながら運転」も新たに禁止する。この新設する部分は公布から6カ月以内に施行される。【山崎征克】

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