俳優の浦井健治さん、大貫勇輔さん、唯月ふうかさんらが出演する「天保一二年のシェイクスピア」の稽古場が報道陣に公開され、稽古後に取材会が行われました。

舞台「天保一二年のシェイクスピア」取材会


「リア王」「マクベス」「オセロー」「ハムレット」「リチャード三世」「ロミオとジュリエット」など、現代演劇にも絶大な影響を与えているウィリアム・シェイクスピア。その37作品を横糸とし、江戸末期の人気講談「天保水滸伝」を縦糸として織り込んだ井上ひさしの傑作戯曲「天保一二年のシェイクスピア」が約4年の時を経て、新たな姿で蘇ります。

公開稽古では演出の藤田俊太郎さんによる解説後、4場面が披露されました。

浦井健治さん


2020年公演で「きじるしの王次」を演じていた浦井さんは、今回「佐渡の三世次」役で出演します。浦井さんは”稽古をしていて、沢山の2020年の思い出があって、沢山の人の顔や声が聞こえてきて、志半ばで最後まで全うできなかった想いも含めて、稽古場に入って板の上に立たせていただいた時に、もう一度スタートが切れたんだなという思いがしました”と公演中止になってしまった2020年公演を振り返りました。続けて、”沢山の先輩方の凄さを見せられながら、井上ひさしさんが書いた一言一言を大切にみんなが紡いでいけたら”と挨拶しました。

大貫勇輔さん


今回から新たに作品に参加し、「きじるしの王次」を演じる大貫さんは”前回、浦井さんが演じられていて、お話を頂いた時は光栄と思ったのと同時に不安と緊張感があった。日々、素晴らしいカンパニーの方に支えられて、自分にしかできない王次を模索する日々ですけれど、後20日あまり必死に稽古して、いい王次を見つけられるように頑張りたいと思います”と意気込みました。

唯月ふうかさん


2020年公演と同じく「お光/おさち」を演じる唯月さんは”再び井上ひさしさんの素敵な言葉が詰まった作品に出演できること、「お光/おさち」という魅力的な女性二人を演じることができて光栄に思っております。本番まで後20日ほどですけど、カンパニー一同もっと深めて、素敵な作品をお届けできるように頑張りたいと思います”と笑顔を見せました。

「天保十二年のシェイクスピア」より


浦井さんは主演を務めるにあたり、”自分は(井上ひさしさんに)お会いしたことがないけれど、諸先輩がたが「三世次が亡くなる時でも、井上ひさしさんはギャグをお書きになった。そこを伝えないと泣いちゃうよ」って言ってくれました。(井上ひさしさんに)お会いしている人たちが井上ひさしさんの想いを受け取って、受け取らせてくださるのは演劇は地続きで時代を映す鏡だったり、時代を再生する装置だったり。人から人に繋がって、お客様にも伝わる。亡くなった方もずっとその場にいて忘れないこともできる。忘れないって素敵なことだなって学ばせていただいています”と感慨深げに語りました。

左から 唯月ふうかさん 浦井健治さん 大貫勇輔さん


そして、浦井さんは”この作品は闇を描いているけど、お客様が闇を忘れずにそれを光に変えていってくださるような演劇体験になればという風に思って、木場(勝己)さんと一緒に、僕は一時間前からセリフをずっと稽古場でやっております。一生懸命頑張りますので、よろしくお願いいたします”と公演を楽しみにしているファンへ呼びかけました。

【担当:芸能情報ステーション】

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