金曜ドラマ『笑うマトリョーシカ』で、若き政治家、清家一郎を演じる嵐・櫻井翔さん(42)。多くの食事シーンを演じる中で「実際は政治家は何を食べているの?」そんな疑問から始まった永田町グルメ企画。政治記者に“料理と政治のウラ話”を聞きながら巡ります。
「口の中で味が変わる」櫻井翔も驚いた総理御用達カレー
嵐・櫻井翔さん:
「政治家の食事というと、僕のイメージだと料亭や座敷で、ししおどしがコーンみたいな」
そう、多くの人が思い描く“政治家の食事”と言えば高級料亭ですが、「実は案外庶民的」と話すのは、TBS政治部の与党担当キャップ・中島哲平記者。
「昼に関しては本当に時間がないので、庶民的な店でサクッと短時間で済ませる方が多い。よく目にするのは、カレーです」
中島記者によると、永田町には歴代総理がこぞって通うカレーの名店があるとのこと。
嵐・櫻井翔さん:
「めちゃくちゃ興味ある!国会議員だけでなくて総理が!」
ということで、2人が向かったのは地下鉄・半蔵門駅から徒歩1分の『プティフ・ア・ラ・カンパーニュ』。ビルの敷地の奥まったところにある、欧州カレーの専門店です。
嵐・櫻井翔さん:
「総理経験者の方々がいらっしゃる…ちょっと何かこじんまりというか…」
昭和56年創業で、食べログでカレー百名店にも選ばれている『プティフ・ア・ラ・カンパーニュ』は、海部元総理や細川元総理、森元総理などが足しげく通っていた店。歴代総理のお気に入りは、看板メニューの「ビーフカレー」(1450円)だといいます。
嵐・櫻井翔さん:
「うわ~並々と!めちゃくちゃいい香り!」
ビーフシチューのようなコクとまろやかさの要は、カレーペースト。
じっくり煮込んだタマネギを形がなくなるまで叩いて潰し、バターや30種類以上のスパイスを加え3日間かけてペーストに。これに牛肉スープなどを加えると、深みのあるカレーソースになるんです。
嵐・櫻井翔さん:
「美味しい。ちょっと甘味を感じるくらい。すごく色んなスパイスの香りと甘さ、あ、でも辛い!口の中で味が変化していく。すごく深みのある味です本当に。お肉もトロトロ、柔らかい」
ちなみに、ゆでたジャガイモは丸ごと1個が別皿で。カレーを継ぎ足して作っているため、煮崩れして混ざらないようにしているのです。
このカレーが大好きだったという海部元総理。予約もなくフラっと訪れ、満席の店内で食べることもあったといいます。
『プティフ・ア・ラ・カンパーニュ』店長 一ノ瀬良太さん:
「昼間のすごく忙しい時間にわざわざ並んで、SPの方と一般の方と相席で食べていただきました」
嵐・櫻井翔さん:
「いや一般の方恐れおののいたでしょうね。目の前に海部さんがという…」
「カレーは飲み物」政治家がカレーを愛するワケ
しかし、一体なぜ政治家はカレー好きが多いのでしょうか?
TBS政治部 中島記者:
「月に1回、政府与党連絡会議というのがあって、通称“カレー会議”。会議が始まる前に皆さんでカレーを必ず食べる」
取材が許されるのは会議冒頭の10分位ですが、部屋には結構カレーの匂いが漂っているとのこと。
自民党では昔から大事な会議や会合の前に、カレーをみんなで食べてから行うことが多いといいます。
TBS政治部 中島記者:
「みんなで同じものを食べて、結束固める。そして重要な政策についても色々と意見を交わしている。そうやって政治って動いているんだなって」
嵐・櫻井翔さん:
「いや~スゴイ。政治とカレーがそんなに密接だというのは知らなかったですね」
実は国会議事堂にも、食堂が衆議院・参議院合わせて13店舗(※別館・分館含む)ありますが、うまい・早い・安いと、カレーが人気だと言います。
TBS政治部 中島記者:
「“カレーは飲み物だ”って言う議員も、中にはやっぱりいるんですよね」
嵐・櫻井翔さん:
「その名言を言われる方が!」
“出世麺”と呼ばれるパーコー麺
続いて向かったのは、永田町のど真ん中、総理官邸の斜め前にある店。ザ・キャピトルホテル東急3階のオールデイダイニング『ORIGAMI』です。
ここは、新聞の首相動静にもたびたび名前が上がるほど、歴代総理がこぞって訪れるお店。ほぼ毎日、朝食を食べに来ていた総理もいるとか。
嵐・櫻井翔さん:
「ここで会食していてもすぐに官邸に駆け付けられる。長いロープでもあれば10秒くらいで行けそうな距離ですよね」
そして歴代総理に人気なのは、実は“ホテルらしからぬ”メニュー!
ラーメンの上に大きな揚げた豚肉をのせた、台湾生まれの「パーコー麺」(3542円)です。
実はこのパーコー麺、“出世麺”とも呼ばれているんです。
TBS政治部 中島記者:
「このパーコー麺を食べて、その後総理大臣になった方々がかなり多いということで、これを食べて総理大臣になるぞ!と」
嵐・櫻井翔さん:
「総理になられた方々がいらっしゃるから、あやかってと」
多い日には1日50杯以上注文が入る“出世麺”。
スープは、鶏と豚のガラを約6時間煮込み、醤油ベースの秘伝のタレを調合。上にのせる豚肉は、国産の豚ロースを高温と低温で2度揚げ、外はさっくり中はジューシーに仕上げます。
嵐・櫻井翔さん:
「これをいただいて総理の座を目指したいと思います」
金曜ドラマ『笑うマトリョーシカ』で演じる清家一郎が、官房長官までのぼりつめたということで、勢いよく麺をすする櫻井さん。
嵐・櫻井翔さん:
「さっぱりしているけど、濃厚なスープ。お肉も柔らかくて味が染みていて美味しい!もし清家が総理にまでなったら、きょうの出世麺のおかげでしょうね」
オバマ元大統領も絶賛“サクモチ”パンケーキ
さらに、『ORIGAMI』ではもう一品、特別なスイーツがあるんです。
TBS政治部 中島記者:
「2009年にアメリカのオバマ大統領が初来日した際に、官邸に持ち込んでもてなしたことで有名になったパンケーキ」
嵐・櫻井翔さん:
「そうなんですか!首相官邸で、YesWeCan」
それが、「ジャーマンアップルパンケーキ」(1897円)。
一般的なパンケーキのイメージを覆すドイツ風パンケーキで、大きさは直径約24cm。クレープのような薄い生地が、深皿のような形に焼き上げられ、薄切りのリンゴが敷き詰められたスイーツです。
プライパンにフランベしたリンゴを入れ、上から生地をフライパンの縁までまわし入れたらオーブンへ。生地が立ち上がった周りの部分と底の部分では違う食感が楽しめます。
嵐・櫻井翔さん:
「美味しい!なんか初めての感覚。当然焼きリンゴのアップルパイみたいな香りもしつつ、フライパンの縁の焦げ目のところがサクサクしていて香ばしさもあるし。モチモチサクサクって感じですね」
モチモチのヒミツは、生地を焼く前になんと100回も叩いて練り上げるから。この叩きが甘いと、焼く時にフライパンの縁にしっかり生地が立たないため、大事な工程。できるようになるまで3年もかかる難しい技術なんだそうです。
嵐・櫻井翔さん:
「アメリカ大統領にと考えると、永田町グルメというよりはもうワシントンまで飛んじゃってと。やっぱアメリカの味がしますよ」
スタッフ:
「ドイツの家庭料理です…」
嵐・櫻井翔さん:
「あ、ドイツか!(笑)」
カレーにラーメンにパンケーキ、“歴代総理も通いつめる”名店は、ランチやデートにも使えそうです。
(THE TIME, 2024年9月6日放送より)
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