『盆栽』から『BONSAI』へ。盆栽の輸出額は5年で倍増して9億円以上と言われています。今、海外で非常に人気で、世界を魅了している盆栽の魅力を改めて取材しました。

東京の一等地からも“盆栽の魅力”を発信

 東京・丸の内、駅からも近い一等地の場所にあるビルに入る店「TRADMAN’S TOKYO」。
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 店内に並べられているのは盆栽です。樹齢100年(推定)の五葉松で150万円。樹齢60年(推定)の五光と呼ばれる品種で60万円。白を基調とした店内に約30点の盆栽が並べられています。

 (客)「めっちゃかっこいいなと思いました。場所もすごいいいんで」
 (客)「スタッフさんもオシャレで、店内の構成も和に振り切っているんじゃないところが素敵だなと思いました」

 店によると、近年、世界的にBONSAIブームになっていて、日本人の若者に盆栽の魅力をもっと感じてほしいと、今年5月に店をオープン。若い人はもちろん、外国人の客も多いといいます。
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 (ロシアからの客)「盆栽は美しい。家でも盆栽を買いたいと2人で話すと思う」
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 (松葉屋 小島鉄平代表取締役社長)「オープンしてみて、まさかここまでいろんな方がいらっしゃるんだなと実感しています。良い盆栽がどんどん海外に流れていっているという事実があるんです。それは海外の人たちが盆栽の魅力に気付いているということ」

この道30年の園主のもとで盆栽を学ぶ外国人観光客

 外国人に広がる盆栽人気は関西の郊外でも。兵庫県加西市にある「盆栽翠松園」。
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 2000年に創業し、大小約1000点の盆栽が置かれています。園主の松末浩二さん(48)は、この道30年のベテランです。
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 (盆栽翠松園・園主 松末浩二さん)「基本的に日本に自生しているものは全て盆栽にすることは可能なんです。(日本に自生する)2千何百とある種類のほとんどが盆栽にすることが可能だと思います」

 松末さんは要望に応じて園を訪れた人に指導することもあります。この日やってきたのはタイからの観光客です。タイでパイロットとして働くキチポンさん(34)とシンさん(38)。2人はそれぞれタイの自宅で盆栽を育てていますが、手入れの仕方でわからないことがあり、翠松園を訪れました。
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 (キチポンさん)「タイでも日本の樹をより良く育てるため、世話の方法を習いに来ました」
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 (シンさん)「真柏という樹が家にあるけれど、世話や剪定の方法がわからなくて習いに来ました」

 2人が悩んでいるのは、盆栽の世界観を鉢の中でどう表現するのか。木が自然の中でどのように成長するかを想像して枝や葉を剪定していきます。
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 (盆栽翠松園・園主 松末浩二さん)「風はこちらから吹いてくる。ここを切って形を整えて」

 松末さんの指導を受けながら不要な葉や枝を取り除きます。細やかに人の手を加えることで鉢の中に自然を造り上げるのです。
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 (キチポンさん)「盆栽に集中していると他のことを考えず瞑想できます」
 (シンさん)「盆栽をしているとリラックスできます。絵を描いたり、おもちゃで遊んだり、というような感じでね」

園主のインスタグラムには約10万人の外国人フォロワー

 翠松園は約10年前から海外販売も行っています。園のインスタグラムは海外からも人気で、12万人以上のフォロワーのうち、約9割が外国人です。

 (盆栽翠松園・園主 松末浩二さん)「インスタグラムの動画で僕がかなり大きな盆栽を手入れしていたんですけど、『これは本物なのか』というふうなことでかなり反響があって、その時に1日でフォロワーが3000人とか4000人とか増えた時がありました。日本に対してのリスペクト・尊敬がすごく大きいです」
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 財務省の貿易統計によりますと、盆栽の輸出額は2019年は約4億7900万円でしたが、2023年には9億円以上と、2倍近くに急増していて、世界的なBONSAIブームの到来を表しています。

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