先週から続いている太陽フレアの影響で、16日ごろまで通信障害が発生するおそれがあり、注意が必要となる。

情報通信研究機構(NICT)によると、太陽表面で起きる爆発「太陽フレア」の最大級規模が、8日から12日までに合計9回発生したという。

この影響で、地球上で大きく磁場が乱れる磁気嵐が起きているとしている。

この磁気嵐は、このあと数日間続くとみられ、これまでのところ、大規模な通信障害などは確認されていないが、16日ごろまではGPS(衛星利用測位システム)の位置情報や無線通信などに障害が発生するおそれがあるという。

磁気嵐によって、日本でも北海道などでオーロラとみられる現象が確認されている。

本来、オーロラというのは、緯度の高い北極圏、南極に近い場所で頻繁に見られるものだが、この週末、磁気嵐の影響で、日本では「低緯度オーロラ」と呼ばれるものが観測された。

北海道・陸別町では、オーロラを撮影しようと、多くの市民が集まっていた。

オーロラを見に来た人「写真で撮ったら赤と緑で、係の人にも『これオーロラだよ』って」

陸別町の天文台で撮影された映像。

空を見てみると、ピンクがかった雲のようにも見えるオーロラが空中に浮かんでいる。

このように北海道だけではなく、FNNで確認しているだけでも、石川県や愛知・兵庫などでも確認されたという。

そして、世界各地でも目撃された。

スペイン南部のバレンシア。

南国で、オレンジの産地でオーロラのイメージからほど遠いが、きれいに光が出ている。

またドイツでは、街の上空に広範囲にピンクのオーロラが出現して、さらに緑の空のカーテンのようなオーロラが観測されたということで、非常に美しい天体ショーが繰り広げられた。

そして、イギリス・ロンドンでも見られ、お祭りのような状態だったという。

オーロラを見に来たカップル「オーロラを見たことがないから来た。あなた見たことある?」、「イギリスでは見たことないよ」

ロンドン中心部に近い公園ハムステッド・ヒースは、お祭り状態に。

前日にもここからオーロラを見たという女性は、「きょうは、きのうより10倍人がいる」と話した。

午前0時半を回ったところで、オーロラは一向に見える気配がなかったが、ダンスパーティーが始まっていた。

特派員がロケに行った日は、土曜日の夜ということもあり、パブで1杯やったあとの人が多く集まっていて、オーロラは見えないが、もはや宴会場の雰囲気。

結局、オーロラを確認することはできなかったが、世界各地で、このようなお祭り騒ぎがあったのではないかとみられる。

一方、このオーロラを引き起こした要因は太陽フレアだということで、通信機器への影響も懸念されている。

アメリカの海洋大気庁は、11日に電力系統やGPSなどの異常の報告があったと発表した。

ただ、具体的にどんな状況だったのかは明らかにされていないという。

こうした状況を受けて、名古屋大学の宇宙地球環境研究所の西谷望准教授は、さらに大規模な太陽フレアが発生すると、航空無線に大きな影響が出る可能性があると懸念している。

太陽活動は、11年周期で活発化していて、2025年がピークとみられ、注意が必要な状況となる。

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