明治天皇も食べていたかもしれないフランス料理が、大阪市の旧桜宮公会堂のレストランで再現されました。一体どんな料理だったのでしょうか。
■旧桜宮公会堂で「明治時代のフレンチ」が再現されることに
【竹上萌奈キャスター】「旧桜宮公会堂にやって来ました。この建物は90年前に建てられ、石造りの正面玄関は国の重要文化財にも指定されています」
1935年に「明治天皇記念館」として建てられた旧桜宮公会堂。今は結婚式場になっていますが、アーチ型の窓や天井の装飾は建設当時から残され、厳かな雰囲気のレストランとしても利用されています。
建設90周年を記念して再現されることとなった「明治時代のフレンチ」。メディア向けの試食会が開かれ、さっそくいただいてきました。
■えびだくかん、むしさけよせもの… インパクトの強い料理名
【旧桜宮公会堂 中津美都香料理長】「一品目、『えび濁羹(えびだくかん)』でございます」
【竹上萌奈キャスター】「『えびだくかん』?。アニメの必殺技のようなパワフルな名前ですが…」
【旧桜宮公会堂 中津美都香料理長】「えびはオマールエビを使っております。羹(かん)はあつものと呼びまして、スープのことでございます」
【竹上萌奈キャスター】「濃厚なえび。おいしい」
【旧桜宮公会堂 中津美都香料理長】「前菜が『蒸鮭凍凝物(むしさけよせもの)』でございます」
【竹上萌奈キャスター】「フランス語?」
どんなお料理なのでしょう?
【竹上萌奈キャスター】「(切ってみると)ピンク色。鮭だ。味付けはシンプルなんで魚のうま味が際立っています」
【旧桜宮公会堂 中津美都香料理長】「よせものというのは、混ぜ合わせた材料を冷やし固めたもの。今回はサーモンマリネを寄せて固めたものです」
他にも『紅楚蟹男爵油製(ずわいがにだんしゃく)』という名前のコロッケなど、明治時代の料理名は新鮮でした。
■料理長が文献などを読み解きメニューを再現
メニューを再現した料理長は明治天皇の「大阪行幸」に関する文献などを読み解いていったそうです。
【旧桜宮公会堂 中津美都香料理長】「明治時代は薪ストーブなど、調理器具がない中でやられていた。写真も残っていませんので、味もこういうものだったかというのは実際には分からない」
明治時代に日本に入ってきたとされるフレンチ。当時は、限られた人だけが食べられる食事でした。
【旧桜宮公会堂 中津美都香料理長】「(コース料金は)だいたい当時の価値で、15万円から20万円でございます。
【竹上萌奈キャスター】「文献の中には、明治天皇が料理を召し上がられたたときの様子などは書かれていましたか」
【旧桜宮公会堂 中津美都香料理長】「探したんですけど、何を買ったかの仕入れの紙は出てきたんですけど、食べた物は分からずでして」
【竹上萌奈キャスター】「そうなんですか。おいしく召し上がれたんでしょうね」
こちらのコースは9日から旧桜宮公会堂のレストランで、ランチ限定で楽しめます。お値段はフルコースで5800円とのことです。
(関西テレビ「newsランナー」 2024年5月7日放送)
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